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繊研plus誤解されがちだが、産地は単に製造する場所ではない。ファッションデザイナーたちにとって〝起点〟のような場所になる。100年以上続く企業も多い日本の繊維産地には、創意工夫の詰まった膨大なアーカイブ資料が宝のように蓄積されている。さらに現場の職人さんたちとの対話は、想像を超える発見に導いてくれる。この産地での化学反応は現場でこそ体験できるもので、毎回が予定調和でないからこそ面白い。
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この意味を知っているデザイナーは頻繁に産地に足を運ぶ。いまや世界各国から長距離フライトで日本の産地にデザイナーたちがやってくる。国内外問わず、産地に足を運ぶことがクリエイションの起点にもなっているのだ。産地は煮詰まった時のヒントをくれる場所にもなり、パートナーとなる職人さんはよき理解者として、次の一歩を一緒に作ってくれる存在にもなる。
現場でのディスカッション、アイデアと技術の融合、足し引きの加減。「可能性の余白」が産地の至るところに転がっている。この可能性を見いだしてどう組み合わせるか。そして、どのようにファッションに落とし込んで世に届けるか。そこにこそ、これからデザイナーに求められる大きな役割がある。
日本のデザイナーたちよ。産地を練り歩いてほしい。そして五感で独自のクリエイションを紡いでいってほしい。
(糸編代表 宮浦晋哉)
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「私のビジネス日記帳」はファッションビジネス業界を代表する経営者・著名人に執筆いただいているコラムです。
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