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GDOのEC戦略 リアルを交えた情報発信の強化でゴルファーにアプローチ

GDOのEC戦略 リアルを交えた情報発信の強化でゴルファーにアプローチ

日本唯一の通販市場の週刊専門紙
通販新聞

 コロナ禍で3密を回避できるレジャーとして一気に需要を伸ばしたゴルフ用品市場だが、近年は需要の一巡に加え、価格上昇の影響などを受けている。市場全体で苦戦を強いられる中、ゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)ではECとリアルを交えた情報発信を強化。平行して物価高でも利用しやすいような独自のサービス設計を図ることで、固定ファンの獲得が大きく進み、売り上げも伸長している。同社が目指す、ゴルファーへの最適アプローチ術に迫る。

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 同社で昨年から強化しているのは、動画やリアル店舗を掛け合わせた情報発信だ。かねてよりECのテキストベースだけでは商品の魅力を伝えづらいということを課題に感じており、そこに対して、楽しみながら情報を取得できるコンテンツとして提案。撮影や運営など社内のリソースを活用した取り組みとして奏功している。

 昨年からは自社通販サイトの中で「ユーチューブ」のコーナーを開設。公開している動画としては、秋葉原で運営しているセレクトショップ型の実店舗「GDO Select」を舞台に、店長役のスタッフがバイヤーと掛け合い形式で商品を紹介していく「〝絶対に悪口を言わない〟ゴルフ用品店」をはじめ、話題のゴルフクラブなどについて忖度なしでトークバラエティ形式で紹介する「ミタナラバコウタロウ」、また、同社のそれぞれのジャンルに詳しいスタッフが商品を試してレポートする内容など様々ある。

 元々、これらの動画は公式ユーチューブで独立して配信していたものだが、通販サイトの中でも商品を見せながら楽しんでもらうという意図で、1つのコンテンツとして抜粋して掲載を開始した。現在も月に1~2本くらいのペースで公開している。

 動画に出演しているのは同社の社員であり、EC部門のメンバーも打ち合わせに参加しながら編集と一緒に社内でシナリオを考えている。また、動画内のアニメーション制作や編集についても、同社のデザイン部隊にいるデザイナーが作っており、手が回らない時は作業を外注することもあるが、基本的には自社でほぼすべての作業を内製化している。

 再生回数が数万回以上のコンテンツもあり、それらができたことでECでの購買に多少なりとも影響している面があるという。単品で紹介したコンテンツの商品などは明らかにユーチューブ経由での購入が伸長。「単純なコンバージョンだけで見るのではなく、こうしたことを継続することで、コンテンツをきっかけにGDOを知ってもらえたり、その中で買い物をする機会が増えていったりすることはあるだろう」(坪井春樹リテールビジネスユニット長)としている。

期間限定で注目ブランドを紹介

 また、リアルショップの活用についても秋葉原の同店舗を軸にテコ入れ。店内は50平方㍍ほどの売り場で、ユーチューブの動画でも紹介した商品を実際に店内で並べるようにもしている。前述の動画内では商品を紹介しながら、最後には店舗でも扱っているということを発信。動画から店舗に送客して、実際の商品に手を触れてもらうという仕組みができている。

 また、同社によるとゴルフ関連用品のメーカーの中でもまだまだ消費者への認知が足りない企業もあり、様々なところで露出面を探しているケースは少なくないという。そうしたメーカーとの協賛企画として、店舗内の一部のスペースを開放してポップアップのような形で商品を展示することを実施。その場で購入することもできれば、後日、ECで買えることもできる形にした。

 元々、同店舗については、限定品や希少クラブなどを扱う内容だったが、限られた面積のためクラブの試し打ちなどを行えるようなスペースがなかった。そこで、昨年からコンセプトを大きく転換して、ゴルフのアパレルやバッグなどソフト系の商品を中心に置くように変更。今はウェブを使ってポップアップの開催告知などを行い集客している。

 数万円台のキャディバッグを実物を見ないままEC上で購入するということは中々ハードルもあるが、「この店舗であれば実際に確認した上で購入できるので、ポップアップで展示したブランドの商品はやはりその時期はECでもかなり売れる成果が出ている」(同)としている。

 運営自体は、同社のリテール部門の中にある店舗運営グループが担当。そこでは、「ゴルフガレージ」というゴルフ用品販売の店舗を6店舗ほど展開しているため、店舗運営のノウハウはすでに有している。あとは、どういった商品を置いていくかなど、EC部門のバイヤーとも相談して決めている。

 取扱商品の基準としては、「どこでも売っているものを扱ってもあまり意味がないため、まだ認知が低いけれども、本質的に良いものを作っているブランドの商品を扱うことをテーマとしている」(同)とした。バイヤーが仕入れを行う中で、ポップアップで取り扱うのか、あるいは常設で販売するのかを判断。品ぞろえも固定するのではなく、時に入れ替えも行いながら様々な見せ方を提案している。

サブスクや下取りが好調

CMなどで認知が一気に拡大

 近年は人件費や製造・物流コストといった様々な要因もあって、ゴルフ関連用品の価格が上昇している。特に新品の人気ゴルフクラブではそうした傾向が顕著となっており、物価高の影響が色濃く出ている。そうした中、同社ではサブスクや下取りなどを推進。クラブの購入費用を抑えられるメニューとして、利用者からの支持を得ることができている。

 まず、サブスクサービスの「トライショット」は、希望するゴルフクラブを実際のプレー環境で試してみて、気に入ったら残価を払って購入できるもの。月々5000円、6000円といった価格で最新の人気ドライバーなどを試すことが可能となっている。

 1カ月、3カ月、6カ月という形で利用期間を選べるが、一度使ってすぐ返却するというレンタル感覚で利用する人も増えている。以前は、利用者の約7割が返却して、残りの約3割が残価を払って購入するという割合だったが、現在は約8割が返却している状況だ。

 同サービスについては、「既存顧客にはかなり浸透してきたが、世の中のゴルファーがどれだけ知っているかというと、まだまだ認知を取っていく必要はあるかと思う」(坪井春樹リテールビジネスユニット長)と説明。そのため、今はサービス宣伝に力を入れており、一例として、定期的にテレビCMを放映したり、リアルでのイベントも開催。その時々でどの媒体を活用するか確立したものはまだないものの、様々なチャネルを横断的に使っている。

 テレビCMに関しては、BS放送や九州地方の地上波などで15秒・30秒の内容を放映。リアルイベントについては、昨年では4月に北海道で開催された「ゴルフフェスタ」というイベントに出展して、来場者にサービス提案を行っていった。これらの内容は今年も引き続き行う予定。

 また、もう一つのサービスが、ゴルフクラブの購入と同じタイミングで手持ちのゴルフクラブの買い取りを行い、買い取り額との差額で決済する「下取り割」。こちらに関しても徐々に認知拡大が進んだことで利用数が伸びている。これは外部広告を積極的に利用しているわけではないものの、通販サイト内でのキャンペーンとして、買取金額をアップするような販促企画を定期的に行っており、その効果で利用件数が増えていったと見ている。

 傾向としては、繰り返し利用するリピーターが多いようで、「一度使ってもらえるとサービスの利便性を理解してもらえるため、次に購入する時に、再び下取り割を使ってくれる」(同)とした。

 どちらのサービスも基本的にはゴルフクラブが対象となるが、トライショットについては、距離測定器を追加したり、下取り割ではシャフトだけでも買い取れるようにしている。

 いずれにしても再販売しやすいアイテムが対象になるため、キャディバッグなども含めていくことも考えているようだ。最終的にはアパレル商品も取り扱うことを考えているが、「アパレルは単価が低いこともあり、買い取ったものを商品化して、サイトにアップするというオペレーションコストに見合う利益が得られるのかという課題もある」(同)と分析。しかしながらかなりのニーズがあると見ており、将来的な視野にも入れながらサービスを拡張していく考え。

最終更新日:

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