
千趣会は、2027年12月期が最終年となる3カ年の再生計画で、通販事業の抜本改革と通販アセットを活用したビジネス拡大、新たな収益源の開発に取り組んで再建を図る。今期は減収減益で27億円の営業赤字となる見込みだが、2年目に黒字化(3億円)、3年目の安定黒字化(16億円)を掲げる。千趣会は社長交代人事や本社の売却に加え、JR東日本との資本業務提携の解消も発表しており、再生に向けて正念場を迎えている。
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千趣会は前期までの3年間で合計約174億円の営業赤字を計上。今期の赤字見込み分を含めると200億円を超える。赤字幅は縮小しているものの、健全な財務体質の構築が急務だ。
これまで、主力の通販事業ベルメゾンは幅広い世代をターゲットにしてきたことで、ロイヤリティの高い団塊ジュニア世代など、注力すべきコアターゲット層への取り組みが希薄となり、機会損失につながるという課題があった。
そこで、通販事業の抜本改革では世代別に事業ドメインを再編。通販サイト「ベルメゾンネット」については、「団塊ジュニアを含む40~50代女性がコアターゲット」(梶原健司社長)とすることで商品開発とマーケティングを当該層に集中する。
また、カタログ起点のシーズンMDを組んでいることで、トレンドの変化をタイムリーに反映した商品作り、売り場作りができていないことを受け、カタログのシーズンサイクルにとらわれない新商品の投入や、「世代ニーズ×テーマ×オリジナルの差別化要素」を軸にした顧客目線での商品企画を重視し、新鮮で共感性の高い売り場作りを目指す。
加えて、同社では通販事業の強みを活かした事業拡大が不十分であることから、前期に健闘した外部ECモールを通じた販売や、ディズニーグッズ専門店などリアル店舗の売り上げはほぼ倍増(前期既存店ベース)するなど好調なため、両販売チャネルを通じて消費者とのタッチポイントを強化する。
また、法人事業や保険事業についても、新たな広告サービスモデルの開発推進や、30~40代女性向け保険商品と集客施策の強化、物流受託先の開拓といった倉庫の有効活用にも積極的に取り組んで事業規模拡大を目指すという。
さらに、通販事業以外の新たな収益基盤の構築に向け、子育て領域では保育従事者向けの通販カタログ「えがおのせんせい」に代表される〝通販×保育園〟などのかけ合わせによるサービス展開を強化するのに加え、エシカル領域では、古物商許可証を取得して買い取り商品の再販を千趣会内で内製化したり、昨年の年間申込み件数が10万件超と好調な宅配買い取りサービス「キマワリファッション」に付加価値を付けた有料版を開発したりすることで弾みをつけたい意向だ。
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