ラグジュアリーブランドの海外支社で働く――。そんな憧れを実際に叶えた、日本人男性・野﨑健太郎さん(ペンネーム)が綴るコラムです。日本人がグローバルで働く上で知っておきたいこと、海外のマーケット動向、キャリアアップしていくためのヒントとは……?これまでたくさんの挑戦と成功を重ねてきた野﨑さんだからこその視点や気づき、エピソードなどを交えながらお届けします!
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Vol.1「はじめまして」
NESTBOWLをご覧の皆様、はじめまして。私は、某ヨーロッパ系ラグジュアリーブランドのシンガポール支社に勤務する野﨑健太郎といいます。現在、47歳。2021年12月に同ブランドの日本法人から海外法人に転籍し、マーチャンダイジング部門のシニアマネージャーとしてシンガポールをはじめ、インド、タイ、オーストラリア、ニュージーランド、ベトナム、フィリピン、マレーシアといったマーケットを担当しています。
海外へ出て3年。日本を飛び出したからこそわかる発見や気づきがたくさんあります。それを皆さんにシェアしたいという思いからこのコラムを始めることになりました。私と同じようにラグジュアリーブランド業界で働く方、海外で働きたいと考えている方、キャリアアップを志している方の参考になればうれしく思います。
今後、このコラムで皆様にお伝えしていきたいのは以下の3つです。
①日本と海外のビジネス文化(商習慣やオフィスカルチャー)の違いについて
②ラグジュアリー・ファッション・小売業界でキャリアアップを図るためのヒントやスキルアップについて
③グローバルサウス9か国の最新マーケットトレンド、カルチャーについて
それぞれ、具体的にどんなことに触れるのかをお伝えしますね。
まず、①「日本と海外のビジネス文化(商習慣やオフィスカルチャー)の違い」について。よく「日本の外に出ると日本の良さが分かる」と言われますが、これは本当です。この3年間、各国での仕事を通じて感じたのは、「日本の良さ」「日本人の強さ」「日本人だけが持っている武器」でした。これらは、日本にいると気づきにくいことかもしれません。各国と比較しながら、それらについて私が感じたことを書いていきたいと思っています。
次に②「ラグジュアリー・ファッション・小売業界でキャリアアップを図るためのヒントやスキルアップ」について。実は私のキャリアは、28歳のとき大手量販店のアルバイトから始まりました。当時、ラグジュアリーブランドでの仕事や海外での勤務は、遠い憧れでしかありませんでした。しかし、約16年の歳月をかけて「大手量販店からラグジュアリーブランドへ」、「販売スタッフからオフィススタッフへ」、また「日本オフィスから海外オフィスへ」というリテールキャリアにおいて難しいとされる3つのチャレンジを乗り越えることができました。(それ以前にアルバイトから正社員へ、にも苦戦しましたが……笑)
振り返ってみると、そこには「成功のカギとなる行動」がいくつかあったように思います。今後このコラムでは、そのカギとなった転機、行動、決断を詳しく解説していきます。「どうしたら店舗からオフィスへ行けるの?」「どうすれば海外勤務を実現できるの?」「英語力はどのくらい必要?」といったことにもお答えしながら、キャリアアップにつながるヒントをお届けしたいと思います。
ちなみに、外資系企業や海外オフィスで働く際、一番の不安要素はおそらく「英語」「コミュニケーション」ではないでしょうか。ちまたの「英語界隈」では、「TOEIC満点取る」とか「ネイティブはこういう表現をする!」のようなノウハウで溢れかえっていますが、実際に海外で働いてみて、これらのノウハウはまったく的を得ていないように思います。
そもそも日本人は自分の英語へのハードルが高すぎて、自らチャンスを逃しているように思い、とても勿体ない気持ちになります。もちろん英語は生涯にわたって使うので、私も研鑽を続けていますが、渡航時の私の英語力は本当にたいしたことは無く、留学経験もゼロで、それでも大きな問題も無く勤務することができました。このコラムでは「英語」「コミュニケーション」についても私なりの考えをお伝えしていこうと思います。
最後に③「グローバルサウス9か国の最新マーケットトレンド、カルチャー」について。現在、私が担当しているエリアは地理的にかなり広範囲にわたっていて、文化的多様性に富んでいます。なかでも最も西洋文化が色濃いのが、オーストラリア・ニュージーランドエリア。一方、最もオリエンタルなのがインドです。インドの文化は非常に独特ですが、東南アジアやオセアニアにも影響を与えています。また、ベトナムは北部と南部で別の国のような文化の差があります。中国の次のマーケットとして注目されている「グローバルサウス」ですが、ひとことで語るにはあまりに奥が深いので、このコラムでは毎回様々な角度から深堀していければと考えています。
Vol.2では、私が感じた日本と海外のビジネス文化(商習慣やオフィスカルチャー)の違いについてお届けします。ぜひ楽しみに待っていてくださいね。
■著者プロフィール
野﨑健太郎
大学卒業後はモデルとして活動し、国内外のショーや広告などに出演。28歳のとき、大手量販店で販売のアルバイトを始める。その後、いくつかのラグジュアリーブランドでのストア、オフィス勤務を経て、2021年12月より某ブランドのシンガポール支社に勤務。趣味は高校時代から続けているサーフィン。
■ペンネームへ込めた想い
野﨑健太郎はペンネームで、尊敬する祖父の名前です。祖父は明治生まれで、西郷隆盛を思わせるような大きな体と味海苔をおでこに張り付けたような太い眉の持ち主でした。東京・五反田を拠点に京浜工業地帯で鉄を拾って歩き回り、町工場を営んでいた祖父。信条は「上天丼を食べたいなら、人の倍働け!」でした。残念ながら50代で亡くなり、直接会うことは叶いませんでしたが、この言葉は親戚を通じて私の耳に届き、私の心に深く刻まれています。祖父のハードワーク魂が自分に宿ることをこのペンネームに込めました。
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