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早稲田大学の繊維研究会が、繊維商社のタキヒヨーと福岡で150年以上の歴史を持つウェディングドレスメーカー「Dress the Life」から素材提供を受けて制作した衣服を展示する合同展覧会「夢幻泡影」を高田馬場にある広研印刷のクリエイティブスペース「BABASE」で開催した。
タキヒヨーは2018年から継続的に繊維研究会に素材を提供しており、今回はトウモロコシ由来のポリ乳酸から作られた独自開発素材「PLA」を選んだ。PLAはポリエステルやプラスチックに替わる100%植物由来の素材で、石油由来の原料を使用せず、一定の条件下において水とCO2に分解されるという性質を持つ。また、原料の性質上、植物の生育過程でCO2を吸収するため、石油由来の素材に比べて環境負荷が低いという。
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タキヒヨーの広報担当 森康智氏は、「自社で制作した素材の可能性を探る目的から繊維研究会をはじめとするファッションサークルや、服飾科のある大学などに素材を提供している。こうして学生のクリエイションが加えられることで新鮮な発見に繋がる」とし、PLAを選んだ理由として「服が好きな人はデザインに限らず、素材やその服がどうやってできているのかに関心を置く人が多い。アパレル業界の課題解決としてサステナブルが重視されている中で、こういう素材があるということを知るきっかけになってくれたら」と語った。
同じく素材提供をした「Dress the Life」は、レンタルのウェディング事業をメインに運営している。ウェディングドレスの製作を行う傍ら、生地量が多く環境負荷が高い反面、多くの場合1日しか着用されず衣服の中でも特にライフサイクルが短いウェディングドレスのあり方を再考。メンテナンスを徹底することでレンタルサービスのビジネスモデルを確立し、日本国内で41店舗を展開している。また、ドレスをレンタルする文化のない欧米でのレンタルドレス普及の可能性や、寿命を迎えたウェディングドレスの再活用を模索しており、今回はその取り組みの一環として繊維研究会に声を掛けたという。
展覧会は「夢幻泡影」と題して生地の始まりから終わりまでを考慮して作られたPLA素材の性質と、人生に共通点を見出し、その儚さをコンセプトに8体のルックを制作。各ルックにはPLA100%に加え、コットンやナイロンといった植物性の素材を混紡した生地と、ウェディングドレスに用いられたチュールやレースを使用した。生地の表面にダメージ加工を施したり部分的に燃やしたりすることで模様を作り出し、腕に薔薇のモチーフをあしらったコートや、チュールの美しさを引き立てつつ、ネイビーとダークグレーのカラーパレットを用いて従来のイメージとは異なるデザインに仕上げたウェディングドレス、新生児の綻びをテーマにベビードレスのデザインから着想したドレス、沙羅双樹の花をモチーフに生地をワイヤーに巻きつけて制作したドレスなどを披露した。
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