9月に移転・拡張した東京営業所。「出社したくなるオフィス」を意識した
小松マテーレは今期からスタートした3カ年の中期経営計画に沿い、海外販売の拡大や働きやすい職場環境の整備を進める。増収増益だった今上期(24年4~9月)は「営業や生産現場の頑張りが結果につながった」(中山大輔社長)との評価で、営業や製造環境への更なる投資で好循環を目指す。
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上期は期初予想では増収減益と利益面の苦戦を想定していたが、営業利益は前年同期比57.9%増と大幅な増益を達成した。値上げや品種転換が進展するなど「営業の頑張りが寄与」、営業利益で8億円近いプラス効果となった。また生産現場も気温が高い6~8月に高稼働で支え、全社の努力で目標を超過達成した。
中計初年度のここまでの進捗(しんちょく)は、重点テーマの一つに挙げた海外販売が好調。上期の海外売上高比率は42.9%(4.1ポイント増)と過去最高を更新し、中計の最終目標に近い水準に達した。欧州景気の低迷などが指摘される中、ラグジュアリーブランドなどに差別化素材が評価され、強みの中東向けも好調を維持する。
この間、独パフォーマンスデイズ出展、パリでの個展開催など海外営業を強化し、社内の開発コンテストでグランプリ受賞した若手技術者2人をこれに派遣するなど、人材育成にもつなげている。来年2月のミラノウニカには初の単独ブースを出展し、欧州拠点開設も見据えて攻勢をかける。「コロナ禍もあって海外展の機会が減っていたが、営業の育成に重要な場。展示会を切り盛りした経験が今後に生きる」と人材育成にもつなげる。
中計では福利厚生の充実やワークエンゲージメント向上も掲げる。営業拠点を東京は青山の好立地に移転・拡充し、フリーアドレスでゆったり働ける環境を整備、大阪も拡張した。本社も食堂をカフェのようなスペースに改装して年内に稼働を予定し、本社棟も今期中に全面改装する。「次は工場にも手を入れていきたい」とし、夏場の酷暑対策など働きやすい環境を整備してエンゲージメント向上につなげる。
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