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美味しさだけじゃない 業界人に聞く「ケータリング」のこだわり

美味しさだけじゃない 業界人に聞く「ケータリング」のこだわり

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 コロナ禍が明けて以降、実店舗などのリアルの場での体験価値が見直されています。ファッション業界にとって、もう一つの重要なリアルの場である、展示会やレセプションも同様です。ブランドの世界をバイヤーやディベロッパー、メディアへ直接伝えるには不可欠でしょう。そんな場を彩るケータリングの需要も急回復中。各社の担当者や提供側の業者にこだわりを語ってもらい、〝ケータリングの今〟をまとめました。

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ナチュラルワイン主力のヘベレケ

食でブランドの世界を表現

 PR会社出身の戸梶由衣さんとコンドウタロウさんが、23年に設立したナチュラルワイン主力のケータリング業者のヘベレケは、主にファッション業界の展示会やレセプションで活躍している。強みはPR目線の提案力だ。リアルの場の重要性が上がった今、ただおいしいだけではないケータリングが求められている。

コンドウタロウさんと戸梶由衣さん

 戸梶さんはPR会社勤務などを経験した後、東京・学芸大学駅前のレストランで働き始め、扱っていたナチュラルワインの魅力に魅せられた。イタリアでの研修にも参加し、専門知識を学んだ。

 コンドウさんはPR会社に勤務した後、15年ごろからフリーのPRとして活動していた。しかし、20年頃にコロナで全ての仕事がストップ。自身のやりたいことを見つめ直し、大好きなワインに関わる仕事をしたいと考え、友人の戸梶さんの紹介でワインショップで働き始めた。人気店なだけに、イベントのケータリングを頼まれることも多かった。その経験を生かして、戸梶さんに声をかけ、ヘベレケを立ち上げた。

 コロナ禍の反動で、展示会やレセプションは増えており、事業はすぐに軌道に乗った。「見た目だけでなく、質やイメージにこだわる企業・ブランドが多い」とコンドウさん。健康的でサステイナブルなナチュラルワインは需要と合致した。飲食業界で作った人脈で、フードを合わせて用意できるのも強みになった。

ワインに合うフードも評判だ

 リアルの場が見直された結果、会場で見せたい世界を盛り上げるケータリングが求められているという。コレクションのテーマなどをヒアリングして、最適なワインやフードを選ぶのはPR会社出身の腕の見せどころだ。例えば、ピンクがテーマの展示会では、色のきれいなロゼを用意した。

ブランドの世界に合わせ花までトータルコーディネートする

 「ファッション業界は食に興味がある人が多い。美味しいものがある場には人が集まる」。招待状にナチュラルワインの提供について書くと、目当てに訪れる来場者も多いそうだ。

 ヘベレケ主催のワインイベントも開いており、事業を通してナチュラルワインの魅力も広めたいという。

デイトナ・インターナショナル

地域とのつながり生かし、おもてなし

 デイトナ・インターナショナルは、イベントや展示会の目的に応じてケータリングや土産を選んでいる。インフルエンサーや若年層の客向けのイベントは人気店のスイーツなどの可愛いらしさやトレンド重視だ。一方、取引先を招く自社の展示会で提供するフードやドリンクは、全国の「フリークスストア」が協業した経験のある地方の飲食店と組むことが多い。

ブランディング本部ブランド戦略部プレス課プレスの田中梨央奈さん、ブランディング本部プレス部プレス課課長コーポレートPRの鈴木栞奈さん

 50以上の実店舗を持つフリークスストアは、地方自治体や企業との協業、飲食店やアーティストを組んだ商品開発に力を入れている。コロナ禍が明けてからは、都内で開く展示会でも取り組みを紹介したり、開発した商品を土産に使うようになった。

静岡店で協業した経験のあるカフェ「グッド・タイミング・ティー」の抹茶ラテを展示会で提供した

 これまでにも、長野県の耕作放棄地の農産物を使用したポップコーンやクラフトビールなどを提供したことがある。抹茶ラテを提供した際は、協業した静岡県のカフェのスタッフを会場に招いて来場客と話す機会を作った。ただケータリングに使うだけでなく、そこでファッション業界人との交流や商売のきっかけができればと考えたからだ。

長野県の耕作放棄地の農産物を使用したクラフトビール。地域課題解決のための取り組みの一環として開発した

 専門店の展示会は他社と時期が重なることも多いが、来場者からは「いつもお土産が豪華」との評価も得ている。フリークスストアが作るコミュニティーを生かして地域の特産物を紹介することは、他とは違うおもてなしになっているようだ。

バーンデストローズジャパンリミテッド

甘・辛フードを五感で楽しんで

 バーンデストローズジャパンリミテッドの社風を表すならば、華やかさと丁寧なおもてなしだろう。年に5回開催される展示会では、プレス一人ひとりが来場者を温かく迎える姿が目に留まる。その心使いの一つがケータリングだ。

 運営する4ブランドのプレス担当者が、交代制でケータリングを企画立案している。「スウィングル」プレスの室薫さんは、その中でも一目置かれる存在。「目で見て、舌で味わい、心で楽しむケータリング」を心掛けているという。

プレスマーケティング部の室薫さん

 展示会ごとにテーマを設け、当日の配置や装飾などの演出を含めてフードとドリンクを企画する。来場者の好みや気分に合わせて選べるよう、「甘いものとしょっぱいものの両方を用意する」のがこだわりだ。

 直近の8月の展示会では、黒い布を敷いた丸テーブルに色とりどりのフィンガーフードを散りばめて、花火に見立てた。メニューは「ガパオいなり」などの稲荷ずし2種、フレーバー違いのマフィン2種、カラフルなクッキーと4種のドリンク。基本的に全て別注で、当日の飾り付け込みでお願いできる「サメ」と、ヘルシーで彩り豊かな料理が魅力の「美菜屋」に依頼することが多い。

夜空に打ち上がる花火をテーマにしたケータリング。カラフルなフィンガーフードで光と色をイメージした

 来場者の間でも同社のケータリングはいつも話題だ。「ここで食べるのが楽しみだからランチを食べて来なかった」などの声がある。「いつかお菓子を花に見立てた食べられるブーケも提案してみたい」と、想像を膨らませている。

最も評判が良かった6月開催のケータリング。ピンクとブルーの「七夕ゼリー」が好評だった

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