デザイナーブランドの中古品販売プラットフォーム「ザ・リアルリアル」が「リセールリポート2024」を発表した。それによると、平均オーダー価格も平均売り値も1年前に比べて14%伸びた。
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投資目的の購入も
今年最も検索されたブランドの1位は「ルイ・ヴィトン」で、2位以下は「シャネル」「プラダ」「グッチ」「ロエベ」「ミュウミュウ」と続いた。プラダは90年代とY2K(00年前後)のトレンドに合っていて、Z世代による検索が最も多かった。シャネルとグッチは、バッグが最も検索された。ミュウミュウはビンテージものが人気で、1年前より検索が47%増えた。
世代別で最も人気のあるアイテムは、ベビーブーマーはバッグ。特に「ザ・ロウ」のバッグは検索が51%増えた。X世代は著名ブランドではないジュエリー、ミレニアルズは「アップルウォッチ」でない時計で、「パンテール・ドゥ・カルティエ」の時計が28%伸びた。Z世代はシャネルの靴が大人気で、特にバレエフラットが好まれた。
アイテム別では、ファインジュエリーが最も人気が高かった。景気が不透明なことから、投資目的の購買とみられている。特に検索が増えたのは、ゴールドのバングル(特に「ティファニー」のボーンカフ)。売上高では「カルティエ」のカラーネックレスが146%、「ヴァン・クリーフ&アーペル」のブローチが223%、それぞれ増えた。
バッグの平均購入金額は5年前に比べると20%以上増えたが、比較的買いやすい値段に落ちついている。1000ドルから3000ドルクラスのバッグを買う人が13%増え、ブランドはミュウミュウとロエベが浮上した。
新鮮に映る会社服
アパレルは「イッセイ・ミヤケ」「ジョン・ガリアーノ」「ヴィヴィアン・ウエストウッド」、トム・フォードが手掛けたグッチのビンテージの人気が急上昇した一方、ノーブランドのビンテージの検索も前年比201%増えた。「クロード・モンタナ」「クレージュ」「ロメオ・ジリ」のビンテージも注目度が上がっている。
若い世代の間では、スラックスやスカートスーツなど会社に着ていくような服をストリートで着ることがノスタルジックで新鮮という傾向も出てきている。ネクタイの平均売り値は51%、スーツの売り上げは25%、それぞれ伸びた。
メンズだけとっても「シュプリーム」「オフホワイト」「ナイキ」のジョーダンなどストリートウェアの売上高は今年落ち込んだ一方、「ジョルジオ・アルマーニ」や「ディオール・メン」「ゼニア」といったテーラード服のブランドの売り上げが伸びた。
スタイルではウェスタンスタイルが人気上昇中で、「クロエ」のキュロットとデニムアイテム、シルバーのジュエリー、ビンテージの「リーバイス」、フリンジのついたレザーアイテム、ビンテージの「ディーゼル」が特に人気が高い。
サステイナビリティーへの意識は依然強く、コロナ以来、買う点数を減らしてより特別なラグジュアリーピースを買う人が増えている。
(ニューヨーク=杉本佳子通信員)
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