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繊研plusメンズカジュアルのセレクトショップで、わざと着古したような加工を施した新品の服が売れていると聞いた。買っているのは10~20代の若年層だ。古着ブームが背景にあるのだろう。洗いざらして元の色がくすみ、プリントがかすれたTシャツやダメージジーンズが今夏は人気という。
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店で商品を見せてもらうと、Tシャツは元の明るい色の上に重ねて薄い黒の製品染めをかけてあった。ジーンズも普通にはいていれば擦り切れることがない部分に穴が開いていて、経年変化を表現するためにデニムの色落ちした部分は薄茶に着色してある。
遠目にはわからないが、よく見るとそれらの加工はかなり極端。あえてそうした加工をするのには理由がある。
その店はSNSで入荷情報を発信し、顧客の多くはそれをチェックして来店する。軽く洗ったくらいでは足りず、わざとらしいくらいに強烈な加工をかけた服のほうが、スマートフォンの画面ではより古着っぽく見えて反応が良いのだそうだ。
後染めしたり、破いたりする加工コストが円安で上がったため、Tシャツは1万円台後半、ジーンズは4万円近くする。そんなに高くなるならいっそ古着を売れば良いと思うが、インパクトが強い「古着見え」する新品のほうが売れるらしい。価格も大事だが、ネット上の見映えが売れ行きを左右する時代ということか。
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