スポーツ用品販売日本最大手のアルペンは8月8日、2024年6月期の通期連結決算を発表した。売上高は2529億3600万円(前年比3.4%増)、営業利益は33億3000万円(同34.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は17億3300万円(同68.3%減)だった。
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記録的な猛暑と暖冬の影響を受けながらも増収を達成した一方で、人件費などの上昇により販管費が前年から37.5%増と利益を圧迫したことで大幅な減益だった。
セグメント別では、売上高構成比で36.7%を占めるゴルフ部門は、コロナ禍の需要拡大からの反動でエントリー層の需要が減少し、さらに猛暑の影響で屋外でのスポーツを控える層が一定数いたため、売上高は前年から0.6%減となる929億1300万円だった。
アウトドア部門も前年比で3.2%減となり、売上高は295億3800万円だった。アウトドア向けのアパレルやトレッキングの販売は伸びたが、キャンプ用品の販売が減速した。
スキーやスノーボードなどのウィンター部門も前年比で2.9%減となり、売上高は76億5500万円だった。暖冬や積雪量などが影響し、12月から1月のシーズンピークでの販売が伸び悩んだ。
一方で、ランニングやバスケットなどの競技・一般スポーツ部門は、前年から14.4%増と大きく伸長した。健康志向からスポーツへの取り組みを意識する層が増えていると見られ、シューズやギア類の販売が好調だった。
アパレルなどのスポーツ・ライフスタイル部門も伸長した。売上高は前年から4.2%増となる572億3600万円だった。秋冬は防寒用品などの販売が苦戦したものの、シューズやサンダルは好調だった。
天候に対するマーケティングは、スポーツ業界にとって今後さらに注視すべき課題となりそうだ。今夏も連日、猛烈な暑さが続いており、屋外での運動は熱中症リスクもある。屋内でもプレイできるラケットスポーツなどは海外でも競技人口が増えており、日本でも注目はされている。
アルペンの2025年6月期の連結業績予想は、売上高は2680億円(前年比6.0%増)、営業利益は63億円(同89.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は32億5000万円(同87.5%増)としている。
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