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繊研plus志村正彦が29歳の若さで亡くなったのは15年近く前、09年の12月だった。ロックバンド、フジファブリックの元ボーカル兼ギターで、彼が亡くなるまでに発表したほとんどの楽曲で作詞作曲を手掛けた。
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バンド名にピンと来た方がいるかもしれない。00年のバンド結成時のメンバーは、中心にいた志村を含め全員が山梨県富士吉田市出身。練習場所は当時のメンバーの実家の繊維会社で、バンド名はそれにちなんでつけられた。
富士吉田はシルクなどを使った高級先染め織物産地で、1000年以上の歴史がある。富士山の眺望が美しく、今はインバウンド客が殺到していることがたびたび話題になるが、「ハタオリマチ」として織物のアピールも活発だ。毎月第3土曜日には工場見学やワークショップなどオープンファクトリー企画を行い、一般客を受け入れている。
その富士吉田市で昨日7日から13日まで夕方6時に流れるチャイムが、志村が作詞作曲したフジファブリックの代表曲「若者のすべて」に変更されている。市役所の若手職員の発案で、志村の誕生日の7月10日と命日の12月24日に合わせて実施され、今回で26回目になる。
若者のすべては、どこか死を予感させるような切ない歌詞とメロディーが印象的だ。志村亡き後も続いたフジファブリックというバンドは来年2月をもって活動を休止する。
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