ニューヨークでは、ヨガは相変わらず人気が高い。私の周辺でも毎日やっている人、週4回クラスに通っている人がいる。そんな中、毎年夏至の日にニューヨークで行われる人気のヨガイベントがある。タイムズスクエアのど真ん中の路上にヨガマットをしいてヨガをする「Solstice at Times Square」(Solsticeは夏至の意)だ。朝7時半から2時間おきに1時間のクラスが7回行われ、例年8千人から1万人が参加する。朝出勤前に参加して、退社後夜7時半のクラスにも参加する熱心な人もいる。22年前に3人で始まったこのイベント、今は申し込みが始まったらすぐに申し込まないと予約がとれない人気ぶりだ。
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市の中心にあるブライアントパークでも、毎年夏に毎週無料のヨガクラスが行われている。そちらも毎回多くの人々が参加するのだが、このタイムズスクエアのヨガイベントは他にない特別感がある。普段は、車が行きかうタイムズスクエアの車道でヨガなんてもちろんできない。年に1度だけ、それが叶うのだ。路上にヨガマットをしいて寝転んで空を見上げるのは実に爽快だ。そんな「非日常の」体験が無料で、しかも多くの人にとってアクセスしやすい場所でできることが人気の理由だろう。周辺にそびえる高層ビルも視界に入るし、場所によっては伊藤園の広告に出ている大谷翔平選手の写真も目に入る。
非日常な空間でのヨガという点では、ハドソンヤードの100階にある西半球で最も高層のアウトドアスカイデッキ「エッジ」でも可能だ。ただ、高所恐怖症の人は怖いかもしれないし、45分のクラスで75ドルの参加費を払わないといけない。それでもやはり「非日常な特別感」からか、現在日にちが決まっている分はすべて売り切れている。エッジのクラスは朝6時半からのみ。早起きして高層階でやるヨガ、一度体験してみたい気はする。
ちなみに、タイムズスクエアのヨガイベントもエッジのヨガクラスでも、ヨガマットは支給される。タイムズスクエアのヨガイベントでは、昨年はフィットネス機器のペロトンがスポンサーになってヨガマットが配られた。そのヨガマットは厚手で立派なのだがものすごく重く、それを家に持って帰るのが一番のエクササイズになったと笑い話になった。今年はガイアムがスポンサーとなり、軽いヨガマットで持って帰りやすかった。ヨガマットだけでなくウォーターボトル、ソフトドリンク、ヨガ雑誌など、さまざまなお土産が出て、飲酒可能な年齢の参加者には白ワインをちょっぴり飲めるリゾート感覚のセクションもあった。
「来年も絶対参加する!」という参加者は多い。ヨガ以外でも「誰でも参加しやすい非日常な特別感のある」イベントがあったら、そのアクティビティーをする人口は増え、関連ブランドと小売業が得られる恩恵は大きいだろう。
89年秋以来、繊研新聞ニューヨーク通信員としてファッション、ファッションビジネス、小売ビジネスについて執筆してきました。2013 年春に始めたダイエットで20代の頃の体重に落とし、美容食の研究も開始。でも知的好奇心が邪魔をして(!?)つい夜更かししてしまい、美肌効果のほどはビミョウ。そんな私の食指が動いたネタを、ランダムに紹介していきます。また、美容食の研究も始めました
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