「フォレストゲート代官山」で開かれたリユース品の限定店にも出店
TSIが、3月から販売を始めた「マーガレット・ハウエル」のリユース品販売に手応えを感じている。リセール業務を支援するフリースタンダード(東京)によると通常の消化率は回収品の半分以下にとどまるが、期間限定のECサイトのみで75%を消化した。新規顧客の開拓を狙いの一つにしていたが、実際は既存顧客の購入が多くなるなど課題も見つかった。
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昨年の12月から2カ月ほどかけて中古品を回収、3月13日に「MHリセル」という別サイトを設けた。中古品はある程度の品質・状態を担保するために従業員から集めた。約500人を対象に告知し、50人から650点を回収、うち販売可能な物は570点だった。タグが現在とは異なる30年近く前の、96年の商品もあった。
スタッフのブランドへの愛着は強いが、「大きなデザイン変更が少ないからか似た商品がワードローブに多く、一部を手放してくれた」(菊地隆三デジタルチームチーフ)。商品提供したスタッフには、販売価格から経費などを差し引いた査定額を支払った。
ECでの販売は430点。フリースタンダードによると今までにない売れ行きで、ブランドの会員全員に告知したこともあり、「ある意味予想通り」だった。ただ、購入客の半分程度が既存顧客。新規顧客の開拓や休眠会員の掘り起こしを目的にしていたため、この点では誤算もあった。
6月8、9日にはフリースタンダードが開催した代官山でのリユースの販売イベントにも参加、未消化の商品を出品して20点以上売れた。Tシャツやシャツなどはサイトでほぼ完売し、ダークなパンツなど売れにくい物が残っていたため、「思ったよりも売れた」との手応えだ。
秋冬に向けては、6月末までに同じくスタッフから回収する。「秋冬物の方が、Tシャツに比べると劣化が目立たない商品が多く期待できる」とも。初回は販売できない商品を持ち主に戻さなかったが、今回は戻せるようなオペレーションに変えた。将来的に、一般消費者から回収する時のためのシミュレーションでもある。
今後は、実店舗で新品と並べて販売することも検討している。取り組み自体は現時点では、利益が主な狙いではなく、環境配慮に対するブランド姿勢のPRが主な目的。事業化のハードルは高いが、継続するには取り組みの拡大が欠かせないとしている。
(永松浩介)
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