幹事長の鈴木さん(左)と広報担当の堀江さん
「明治大学デザイン研究部」はファッション、アート、写真、音楽など多様な趣味嗜好(しこう)の学生が所属し、デザインする面白さを伝える団体だ。ファッションショーの開催が主だが、アート作品の展示会を行うなど学生の個性や〝好き〟を表現する場になっている。
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建築から波及
ショーは衣装制作のほか演出も構成する。ファッションだけでなく、映像や音楽など構成の部分でも自分の好きな分野を生かしている。服飾技術は未経験ながら、得意な先輩から学ぶなど独自に習得。古着を組み合わせたリメイクで制作することも多い。
有志の写真展や絵の展示会、企業と協業で廃棄予定の物からアクセサリーを作る子供向けワークショップなども企画する。
設立は建築デザインを研究する団体としてだった。他の建築系団体と差別化するため、次第にファッションやアートを含めたデザイン研究部に変化した。
数年前までは「知る人ぞ知る団体」だったそうだ。学内外でファッションショーなどを積極的に行うようになり、知名度が上がり人数が増えた。
メンバーは幹事長の鈴木陽介さんのようにファッション好きな人もいれば、そうでない人もいる。例えば、広報担当の堀江天兵さんは「ファッションの関心は人並み程度」。ただ、大学で建築を専攻する上で「デザインの引き出しが増えるのではないか」と考えた。実際に「個性的な人や面白い人と関われて刺激になっている」という。
成功体験を機に
22年度は学外の渋谷でファッションショーを開催した。テーマはサステイナビリティー。知人や家族から回収した古着と、企業と提携して調達した古着をリメイクして衣装を15体作った。「豪華な会場でプロのモデルを起用し、演出にこだわりクオリティーを意識した」結果、約200人を集客し、複数のメディアに取り上げられた。
鈴木さんは「サステイナビリティーという問いかけと、一から作り上げた自分たちの頑張りが社会に届いたのを実感した」と話す。
それ以来、内向きから外向きへの発信に変化したという。今はSNSで外部に向けてメンバーや取り組みを紹介している。
今年度も学内外でファッションショーを計画する。4月に新入生向けの交流会や歓迎会を開き、約30人の規模を維持する見込みだ。
(小坂麻里子)
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