ニッセンがテレビ通販支援事業を強化している。複数社が協賛して番組を作る「キャラバン型」のニッセンオリジナルテレビ通販番組「売れ筋解明! 買いたい新書」が通販企業から好評を博しているほか、昨年12月にはテレビ通販の短尺インフォマーシャル制作サービス「ミズカラ!」を開始。大小さまざまな企業 からの需要に応えていく。
総合通販企業として50年以上の歴史を誇るニッセンだが、近年は通販支援事業でも存在感を示している。後払い決済サービスを中心に、現在の支援企業数は約1600社。近年、特に注力しているのは2016年から開始したテレビ通販支援事業だ。
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同社BtoB事業本部DMソリューションサービス部映像メディアサービスチームの新井翔太マネージャーは「テレビ通販に必要な、制作・メディアバイイング・コールセンターの3つに関して、トータルで支援できる体制を整えている」と話す。最近は体制強化を図っており、テレビ番組制作歴25年以上のプロデューサーを迎え入れ、内製化を図るべく人員を充実させている。
特に通販会社からの需要が高い「買いたい新書」は複数社協賛のキャラバン型の制作スタイルを採り、1社単独で29分番組を放送する。キャラバン型の良さである価格メリットに加え、インフォマーシャルの良さである制作の自由度・情報量を備えたスタイルだ。新井マネージャーは「社内では、キャラバンとインフォマーシャルを合わせた『キャラフォマーシャル』という呼び方をしているが、キャラバン型にありがちなイージーオーダーな番組ではなく、自由度の高い番組を作っている」と特徴を語る。
一般的に、キャラバン型のテレビ通販番組は制作費を圧縮するために、制作工数を限定するケースが多いことから商品の魅力を十分伝えきれないことも少なくない。また、すべての撮影をスタジオ収録に集約することもある。しかし「買いたい新書」の場合は、スタジオ撮影だけではなく、ロケをふんだんに活用。2回分のロケ費用を基本料金に内包した。さらに、九州の制作会社を活用することなどで制作費を抑えつつ、商材や訴求内容によって、最適な構成や台本、演出方法を提案している。
クライアントは、化粧品・健康食品事業者が多い。基本的には3カ月に一度撮影しており、今年はこれまで1月末と3月末に番組を収録。1回あたり4~5企画分撮影している。一度出稿した企業が「新たに戦略的商品を展開するので、番組を作ってほしい」と要望してくることもあるなど、成約率は高い。
番組内容については「視聴者が番組を見てどう感じるのか」を常に考えて制作しているという。例えば、番組冒頭にクイズを出題し、中盤に正解を公表するといった仕掛けを作ることで、番組の滞留時間を長くするといった工夫を施している。こうした仕掛けは毎回異なっており、クライアントの商材にあわせて提案しているという。
また、これまでニッセンが培ってきた通販ノウハウも存分に活かされている。新井マネージャーは「広告出稿の費用対効果はCPRやCPOといった獲得効率だけでみられることが多い。ただ、本当はそれだけではなく、コールセンターに何件電話があって何件受注できたのか、継続率はどうか、定期案内オファーは適切かどうか、同梱物はファン育成に繋がるものが組み込まれているかといったことも重要。当社は通販会社なので、通販で商品を販売することに関する全てのKPIが理解できる」と強みを説明する。
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