家電小売店を居抜きで活用した
デザイン会社のザ・カンパニー(東京)は昨年3月に東京・久我山にオープンした「古着屋ジャンボデンキ」が採算ベースに乗り、初期費用を回収、営業も軌道に乗ってきた。
ADVERTISING
家電小売店を居抜きで
同店は1970年から営業していた同名の家電小売店を居抜きで活用した無人古着店。地域密着の商店街に立地し、価格帯はおおむね300~3000円で、平均単価は1100円。購入は現金を会計ボックスに入れる簡単な仕組みだ。生成AI(人工知能)「チャットGPT」を活用し来客は音声による対話も楽しめる。
古い物件の居抜き入居のため、初期費用は200万円弱で収まり、売り上げは月によってばらつきはあるが、50万~100万円、セールなどのイベントを行うと100万円を超えるという。
一方、2、8月は50万円に届かなかった。1カ月のコストは仕入れ、広告関連、家賃、光熱費などを含め40万円前後だった。開店から10カ月で初期費用をほぼ回収し、そこそこの利益も出ているようだ。
ただ、無人で接客がないとはいえ、小物を含めて毎月700点近くが売れており、ほぼ毎日商品を補充、追加する作業は想定以上の労力を要した。
初期費用をかなり抑え
営業状況が順調な理由の一つは初期費用をかなり抑えられたこと。家賃が安い上に改装工事もほぼなかった。もう一つはオープン時の情報発信が功を奏し、多くのメディアに取り上げられ認知が広がり顧客化につながったことだ。チャットGPTによるコミュニケーションツールをキャラクター「ジャンボくん」と命名して顧客に浸透したことも貢献したとみている。
オープン1周年の30%オフイベントを3月31日まで開催した。今後もイベントなどを企画しながら地域に根差した店作りを進めていく。
ADVERTISING
PAST ARTICLES
【繊研plus】の過去記事
RANKING TOP 10
アクセスランキング
銀行やメディアとのもたれ合いが元凶? 鹿児島「山形屋」再生計画が苦境