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繊研plus円安下でありながら、繊維品の輸出が伸び悩んでいる。日本繊維輸出組合によると23年の繊維品の輸出は、前年と比べて3.6%減の68億9754万ドルで70億ドルを割り込んだ。2年連続の減少だ。70億ドルを割り込むのはコロナ禍で大きく落ち込んだ20年以来。
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主要品目の多くが前年実績を下回った。糸が2.9%減、主力の織・編物が2%減など。特に苦戦したのが原料(わた)で8.8%減と厳しかった。一方アパレルは引き続き好調で、10%以上の伸び。
12月単月では前年同月比1.9%増の6億6200万ドルだった。原料、糸、アパレルなどが伸びた。
州別(年間累計)で伸びたのは、好調な西アジア向けとアフリカ向け、分母は小さいが南米向けに限られる。国・地域別ではマレーシア、カンボジア、インド、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、オランダ、イタリア向けなどが伸びた。
輸出に有利な円安下にありながら、伸びていないのには、いくつかの要因がある。欧州や中国の景気低迷をはじめ、欧米顧客の在庫調整、人手不足を含めた国内生産力の低下やリードタイムの長期化、海外で生産し海外顧客に販売する〝外・外〟貿易の拡大など。
特に中東向け生地輸出などでは、「日本製を求めるニーズは強いが人手不足で供給が追い付かない。機会損失が起きている」とある商社の幹部は話す。販売機会の損失を抑えようと、インドネシアなどでの生地生産を強めている。
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