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繊研plus森ビルが昨年11月に開業した麻布台ヒルズは、冬のセールをテナントごとの判断とし、館としては行わなかった。オープンから間がなく、飲食店などセールをしないテナントが多いこともあるが、「お客はセール以外の価値を求めている」(池澤直樹商業運営室長)と考えたためだ。
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ファッション店も多くが年明けもプロパー販売を強めた。この結果、「セール品、プロパー品ともに好調で、1月の館全体の売り上げも計画超え」となった。「今後も館としてセールを行う予定はない」という。
麻布台ヒルズは近隣住民に高所得者が多く、価格志向の客が少ない。テナントの多くが「上質、高感度で、高単価の商品」を充実し、ファッション店でも売り上げが好調だ。館のセールを大々的に行わなくても、売り上げを確保できる特性がある。
郊外SCなど他の施設では、麻布台ヒルズのようなわけにはいかない。セールを求める客は多く、セールは在庫処分とともに、顧客サービスの重要な手段だ。
ただし、今年1月も「セール期間中にプロパー品が売れた」という施設が多かった。消費者が物価高で価格にシビアになる一方で、「商品をしっかり吟味し、気に入れば、多少価格が高くても買う」傾向は強い。セール時に値引き以外のイベントを行い、成果を出す施設も増えた。セールのあり方がますます問われる。
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