楽天グループが運営するフリマアプリ「楽天ラクマ」では、リユース事業者などが出店する「ラクマ公式ショップ」の流通額が好調に伸びている。10~12月の流通額は1~3月の約1・5倍に。特にラグジュアリー関連商品が伸びており、10月から配布を始めたラグジュアリーに特化したクーポンも貢献しているようだ。同社のラクマ事業部BtoC&AD事業課の木下春菜シニアマネージャーにラクマ公式ショップの近況を聞いた。
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ーーラクマ公式ショップの流通額が伸びている。
「昨年12月に過去最高となるギネス月商を記録した。試験運用開始から約3年間の積み上げに加え、12月から新しく始めた施策がうまくはまった。また、『安心・安全』をPRできるようなUX調整をしたほか、一般出品者向けにはコメ兵と組んだ『鑑定サービス』も始めた。そういった活動が奏功し、ブランド品を事業者から購入する層と、一般出品者からも抵抗なく購入する層、双方が活性化された。それに加え、越境取引における購入代行事業者経由の流通も毎月伸びていった」
「プロモーションとマーケティングにも力を入れた。消費者へのインタビューでも分かったことだが、アパレル関連とラグジュアリー関連では、消費者の値引きへの期待もかなり違うし、購買層も若干違う。そこで、ターゲティングとコンセプトとメッセージを分けて企画を充実させたことが奏功した。加えて、年末はクリスマスラッピングの企画や、ラクマ初となる『1店舗でのトップバナージャック』も実施した。バナージャックについては、参加した店舗の流通が相当伸びている」
ーー出店店舗数は。
「非公開だが、順調に伸びている。大手はもちろん、中小規模の事業者にも参画してもらっている」
ーー最近はどういった事業者が出店しているのか。
「楽天市場でも活躍している企業の出店が多かったが、直近ではブランド品を取り扱う中小規模事業者からの問い合わせが多く、ECに初挑戦という事業者も少なくない。数年前と比べても裾野が広がっていることを実感する」
ーーそういった事業者はなぜラクマを選ぶのか。
「『ラクマはブランド品が強いと聞いて出店したいと思った』という声を良く聞く。店舗からも、競合と比べて30万円以上の高価格帯商品の動きが良いと評価されている。リユース事業者は横のつながりが強いので、くちコミで広まっているようだ」
ーーラクマで高価格帯商品が売れる理由は。
「ラクマと事業者が原始を負担するクーポンによる押し上げ効果もあるが、通常時でもラグジュアリーは非常に売れている。これだけ物価高になると、一次流通ではなかなか買えないブランド品などを二次流通で買い求める消費者が増えている。また、円安の影響もあり越境経由の受注も多い」
「リユース品を入り口としてブランド品の世界に入る若年層が目立つ。また、ルイ・ヴィトンなどは、二次流通で購入してもブランド価値が下がりにくいこともあり、資産価値を意識する消費者も増えているようだ。ラクマでいうと『オールドグッチ』や『ヴィンテージシャネル』といった検索ワードが非常に増えており、そういった消費者が流入してきていることが分かる。ラクマでは、そうしたラグジュアリーが得意な事業者を集めてセール企画を実施しているというところも相まって、高価格帯商品が売れているのではないか」
ーーセールを定期的に実施している。
「ラグジュアリーのクーポン企画を月1回は実施するようにしている。クーポンは平常時は7%割引だが、昨年12月は10%割引企画を行った」(つづく)
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