Image by: ポーラ・オルビスホールディングス
ポーラ・オルビスホールディングス(HD)が、2023年12月期連結決算を発表した。売上高が前期比4.2%増の1733億400万円、営業利益が同27.8%増の160億8000万円、経常利益が23.7%増の184億6900万円だった。親会社株主に帰属する当期純利益は、前年に計上した法人税等調整額が減少した影響により、同15.6%減の96億6500万円だった。
ビューティケア事業は、売上高が同4.2%増の1684億7700万円、営業利益が同18.6%増の163億5400万円だった。基幹ブランドの「ポーラ(POLA)」が、国内事業、海外事業ともにに前年を上回る実績で着地。国内はOMOの推進やLTV(Life Time Value、顧客生涯価値)事業の実現に向けた取り組み、2023年4月に始動した新メンバーシッププログラム「ポーラ プレミアム パス」による全販売チャネルの顧客IDの統合などといった戦略を推し進めたほか、商品では新発売の「B.Aミルクフォーム」やリニューアル発売した「B.AグランラグゼIV」、さらにエステの好調などが奏功した。海外は、中国および一部のアジア地域における景気減速などが影響したものの、前年を上回った。一方で下半期に生じた海外事業の減速影響などにより、営業利益は前年を下回った。
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もうひとつの基幹ブランド「オルビス(ORBIS)」は、売上高、営業利益ともに前年を上回って着地。国内の直販チャネルでは成長をけん引する「オルビスユードット」のリニューアルや、UVのスペシャルケア品などが伸長し、外部チャネルではロングセラー商品のヘアケア品がベストコスメ総合大賞を受賞するなどが好調に推移。海外事業は景況の悪化や処理水問題に伴う影響が生じたものの、前年を上回った。
海外ブランドの「ジュリーク(Jurlique)」は、重点市場の豪州でオフラインが好調に推移し売上高は前年を上回ったが、免税事業の減速などの影響により営業損失が拡大した。育成ブランドと位置付ける、「スリー(THREE)」、「ディセンシア(DECENCIA)」、「フジミ(FUJIMI)」は、スリーが黒字化に向けた構造改革の取り組みを進め、リニューアル発売した基幹スキンケアシリーズやブランド初のフレグランス発売などが奏功し、ディセンシアがリニューアルした主力商品のシワ改善美容液などが好調で、ともに国内事業で前年を上回って推移。育成ブランド全体でも売上高は前年実績を超えて着地した。また、各ブランドにおいて厳格な費用コントロールを実施したことが奏功し、営業損失は改善している。なお、前期に決定した「アンプリチュード(Amplitude)」「イトリン(ITROM)」の2ブランドの撤退は同年内に完了している。
2024年12月期は売上高が同3.3%増の1790億円、営業利益が同11.3%増の179億円、経常利益が同3.1%減の179億円、親会社株主に帰属する当基準利益は同20.0%増の116億円を見込んでいる。
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