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繊研plus百貨店のバレンタイン商戦が様変わりしている。コロナ下で低迷したが、23年に早くも復調し、ポストコロナに移行しても数少ない成長領域となった。義理チョコ需要は減った一方で、自分向けに購入する人が増えているという。
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円安や原材料の高騰といった影響を受けて、一部商品が1割程度値上がりしたが、購入の勢いは変わらない。松屋銀座本店がウェブ会員を対象に行った意識調査によると、「24年のバレンタインチョコは節約を意識しない」という回答が7割を超えた。普段は節約しつつも、特別な日は財布のひもを緩める消費志向が表れた結果だ。
対面・実演販売や店内で関連メニューを提供するイートインなど体験型に力を入れる。高島屋は規格外として廃棄処分になってしまうフルーツをピューレとして使ったチョコで、人気ブランドと協業した。各店でのサステイナブル(持続可能)な取り組みが増えている。
バレンタイン商戦が拡大したのは20~30代に支持されたからだ。ECが台頭するなかでも、「わざわざ百貨店の店頭に出向き購入する」という特別な体験を求める傾向が顕著だ。世代を問わず新規客を獲得し、市場が活性化する好循環を生み出す。さらに対象客層の関心事を深掘りし、商品やサービス、販促に反映することはファッション業界も学ぶことが少なくない。
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