自由が丘の住宅街の隠れ家的な立地
東京・自由が丘にあるヌーカフェは、洋服のお直しサービスを併設したカフェ、バーというユニークな業態で人気を集めている。服の作りの癖まで考慮したお直しがファッション通から評価されているほか、アットホームな雰囲気でくつろげる飲食店として通う顧客も多い。
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08年にデザイン会社を経営していた先代のオーナーが店をオープン。15年から同店で働いていた中島將さんが、21年に事業を引き継いだ。コンセプトは「生活文化の創造」。ハイレベルなお直しと、こだわりのコーヒーなどを組み合わせ、豊かな生活の提供を目指している。
立地は大通りから少し離れた住宅街の裏路地。店に入るとまずお直しの作業スペースが目に入る。カウンターやソファ席に座って、ミシンやアイロンを操る姿を眺めながら食事などを楽しめるのが魅力だ。
創業時からお直しを担当する髙畠海さんは、大学院まで進んで服作りを学び、服のリメイクに関する著書などもあるベテラン職人。豊富な経験と高い技術を持ち、顧客からの信頼も厚い。
「基礎から服作りを学んだので、柔軟に対応できる。必要なら仮縫いまでする」と髙畠さん。例えば、デザイナーブランドの服が持ち込まれた時には、そのデザイナーの癖まで考慮したサイズの直し方を提案する。職人は髙畠さん一人なので、相談から仕上げまで一貫してできるのも、客の安心につながる。
飲食では、苦みと香りの良さを両立した「毎日飲みたくなる味の」コーヒーが自慢だ。14~24時まで営業しており、夜はオーガニックワインなどを楽しむ客でにぎわう。飲食業界の経験が豊富な中島さんのパスタやバーフードにもファンがついている。
客層は地元住民が中心だ。中島さんのフレンドリーな接客を愛する客のほか、自由が丘という場所柄もあって髙畠さんを頼って通う服好きも多い。食事のついでにお直しの相談を受けたり、お直しの利用客が後日飲みに来たりする相乗効果もある。
今年で16年目。目立つ場所ではない中、続けてこられたのは、仕事の質を守り続けてきたからだという。髙畠さんは「お直しも飲食も両方本気。それが重要だ」と話す。
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