ファンケルが世代別のコミュニケーションを強化する。1月から顧客向け情報誌を刷新。商品軸で「美」と「健康」の情報を一体化し、体の内外からサポートする情報を提供していく。一方で、世代別に必要な情報を意識し、「40~50代」、「60代以上」向けの情報誌に分ける。
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これまで化粧品情報誌「エスポワール」、健康食品情報誌「元気生活」と商品軸で発行していた。
ただ、幅広い製品を取り扱う中で、全世代対応の情報提供に限界があった。50代以降に健康悩みが顕著になり、60代以降、内外美容の意識・関心が強まるなど、化粧品、健食いずれか一方によるサポートでは、世代に応じた悩みに対応できない課題もあった。
創刊するのは、40~50代向けの「FANCL Fleu‥me(ファンケル フルーミー)」(=画像(上))と、60代以上向けの「FANCL Fleu‥me+(ファンケル フルーミー プラス)」(=画像(下))。ページ数を大幅に増やし、世代に応じて異なる生活スタイル、肌悩み、健康悩みの情報の充実を図る。化粧品、健食の各利用層に幅広い製品、サービスの情報を提供することで新たな接点を築く。
例えば、「女性ホルモン」をテーマにした1月号は、「フルーミー」は更年期への備えに焦点を当てた構成、「フルーミープラス」は、女性ホルモンとの向き合い方、「自分時間」の楽しみ方に焦点を当てる。購入状況に応じて、40代以下の顧客にも「フルーミー」を配布する。
21年にコミュニケーション改革を掲げて以降、デジタルシフトを進め、発行部数も減らしてきていた。
一方で、紙媒体の重要性も認識。既存顧客とのコミュニケーションの重要性が高まる中、「顧客の共感を作る土台が情報誌。体験の場と捉え、それぞれが持つ良さを組み合わせたコミュニケーション設計にする」(同社)と話す。発行部数は開示していないが、ここ1年ほどは減少なく定着。創刊を受け、「今後、拡大の傾向にある」(同)とする。これまで世代別のキャンペーン施策は実施していないが、今後は検討する可能性もある。
30代のライトユーザー向けには、メルマガやLINE、アプリを中心にしたコミュニケーションに加え、別媒体「cos‥me!(コスミー)」も活用する。各媒体をつなぐ読み物サイト「FANCL CLIP(ファンケル クリップ)」も運営する。
重複して利用する顧客は購入率、購入単価が高く、「―クリップ」閲覧者はLTVも高い。各媒体を活用した多面的なつながりを強化する。
このほか、店舗来訪者向けに、接客ツールの位置づけの小冊子「FANfun」を提供している。同冊子は昨年10月にリニューアル。アプリとの連動やデジタルコンテンツの紹介、SDGsなど企業情報の発信を強め、リニューアル後3カ月でウェブコンテンツへのアクセス数が増加している。
創刊を受け、化粧品、健食で分かれていた制作チームも統合した。
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