(左より)イザベル マラン、バルマン、アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッド、レオナール
2023年春夏コレクションを発表するパリ・ファッションウィークが、9月26日から10月4日まで開催された。計105ブランドの趣向を凝らした新作発表の中から、注目のコレクションをピックアップ。
ブランドのアーカイヴや、ルネッサンスといった歴史的文化へのリファレンスが目を引いた「バルマン(BALMAIN)」「イザベル マラン(ISABEL MARANT)」「レオナール(LEONARD)」「アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッド(Andreas Kronthaler for Vivienne Westwood)」の新作発表を振り返る。
BALMAIN
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「バルマン」は、年に一度のイベント「バルマン・フェスティバル」の中で新作コレクションを発表。多くの一般客を招き、音楽パフォーマンスやポップアップバーなど誰でも楽しめるコンテンツを用意した。
巨大なスタジアムの中央に設けられたランウェイでは、プレタポルテのウィメンズとメンズ、そしてオートクチュールの計103体が登場。籐を編んで仕立てた造形的なドレスにはじまり、ルネッサンス絵画や炎が印象的なプリント、そして木の皮や貝殻といった自然の美をまとったオートクチュールまで、壮大な演出で披露された。
フィナーレではクリエイティブディレクターのオリヴィエ・ルステン(Olivier Rousteing)と歌姫シェール(Cher)が登場し、会場を沸かせた。
ISABEL MARANT
「イザベル マラン」は、2023年春夏コレクションでブランドのルーツに立ち返った。1990年代のシルエットとブランドのコードをリマスターしたという。
シルクシフォンのトップスはイザベル マランならではの花柄をミックスし、オリエンタルな刺繍をオン。ボトムにはレザーのミニスカートやカーゴパンツを合わせた。オープンネックやローライズのディテールもY2K調。フェミニンでエフォートレス、楽観的なムードがランウェイを包んだ。
LEONARD
カリブ海に浮かぶムスティーク島から着想した「レオナール」2023年春夏コレクションのテーマは「THE LAGOON」。ターコイズブルーの宝石と称される楽園の鮮やかな色彩と、レオナールの象徴的なプリントが融合した。
ファーストルックのマクラメを応用したドレスや、初登場のジーンズが印象的で、ラストを飾ったのは軽やかなパラシュートドレス。クリエイティブディレクターのジョージ・ルックス(Georg Lux)は、クリエイティビティの役割として、混乱した世界から自身を解放する夢のような場所を表現したという。
Andreas Kronthaler for Vivienne Westwood
「アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッド」のショー会場は、劇場をリノベーションした現代アート施設「ゲテ・リリック(La Gaîté Lyrique)」。コレクションタイトルは「Sous le ciel de Paris(パリの空の下)」。
歴史的なものを使って遊ぶことで過去を見つめ、ルネッサンス風に仕上げるというヴィヴィアンならではの手法をなぞり、古いものと新しいものを融合したコレクション。着古した風合いのTシャツやスウェットをリメイクしたり、デッドストックの生地を使用して、個性の引き立つドラマティックな装いとなった。円形のステージに全モデルが集合したフィナーレは、まるで舞台劇のカーテンコールの雰囲気。
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