(左より)「アンテプリマ」「マックスマーラ」「ディーゼル」「ディースクエアード」
2023年春夏コレクションを発表するミラノ・ファッションウィーク(以下、ミラノコレ)が、9月20日から26日まで開催された。公式スケジュールの全ブランドがフィジカルなショー形式で発表し、アフターコロナを印象付けた。
引き続き注目のY2Kスタイルのほか、太めのパンツや肌見せなども目立った。ミラノコレ特集 vol.1では、「ディーゼル(DIESEL)」「マックスマーラ(MAX MARA)」「ディースクエアード(DSQUARED2 )」「アンテプリマ(ANTEPRIMA)」の新作発表を振り返る。
DIESEL
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グレン・マーティンス(Glenn Martens)が手掛ける「ディーゼル」2023年春夏コレクションのテーマは「ディーゼル・デモクラシー」。アリアンツ・クラウド・アリーナで行われたショーには、「ファッションショーに行ったことのない人たちにもディーゼルを知ってもらいたい」というデザイナーの思いから、4800人のキャパシティのうちファッションを学ぶ学生1600人を含む一般客3000人以上が招待された。ギネス記録を更新したという人型のバルーンが絡み合う巨大なインフレータブル・スカルプチャーはインパクト大。
コレクションでは最も"民主的"なファッションアイテムの一つでブランドの代名詞でもあるデニムをグレン流に追求。透け感のある下地をベースにデニムを織り込んだデニムデヴォレ、何年も日差しにさらされたような日焼け加工やダメージ加工、断ち切り、プラスチックコーティングなど、あらゆる手法を用いてデニムの多様な表情を引き出した。
ユーティリティベスト、カーゴパンツといったワークウェアをドレッシーに仕立てたセットアップをはじめ、フューチャリスティックなメタリックドレス、ひび割れ加工のニット、1万5000枚以上のディーゼルのラベルにダメージを施しファーに見立てたコートなど。Y2Kムードのスタイリングと相まって、グレンの実験的なエネルギッシュさが際立った。
MAXMARA
会場壁面の鮮やかな地中海ブルーが印象的な「マックスマーラ」のショーは、ゆったりとした音楽にのせてリゾートムード溢れるコレクションとなった。コレクションでは、太陽が降り注ぐ地中海一帯のリヴィエラに集ったボヘミアンたちに着目。中でも”リヴィエラ・スタイル"を体現した女性として、写真家ジャック=アンリ・ラルティーグ(Jacques-Henri Lartigue)のミューズであり恋人のルネ・ペルル(Renee Perle)とインテリアデザイナーで建築家のアイリーン・グレイ(Eileen Gray)の2人をフィーチャー。
ベージュ、オフホワイト、ブラックを中心に構成されたコレクションでは、クロップド丈の半袖タートルネックやホルターネック、チューブトップに、リネンのロングスカート、ドレス風に仕立てたトレンチコート、生地をたっぷりと使ったセーラーパンツを合わせ、洗練さとしなやかさを兼ね備えたハンサムウーマンを表現。優雅な雰囲気を漂わせるつばの広い帽子や、スイムキャップ、ヘアバンダナなどの小物使いも、リゾート感を助長するアクセントとして取り入れられた。
DSQUARED2
18世紀の建造物パラッツォ チッテリオを会場にショーを行った「ディースクエアード」は、ビーチサイドを彷彿させるアクティブで遊び心に満ちたコレクション。透けるほど薄手の素材をレイヤードすることで見えてくる斬新で奇抜な色や柄の組み合わせは、それぞれ強烈な個性で観客の目を引いた。
淡い長袖のビーチ風トップスにチェックのシャツにベイビーブルーのレースを重ね、フィルムのように薄いテクノチュールのプリントスカートを合わせたファーストルックでショーがスタート。ウエットスーツをベストに仕立てたり、スイミングパンツをチューブトップや膝下パンツにデザインしたり、マイクロミニのビキニとPVC素材の透明ジャケットを合わせるなど、マリンスタイルを随所に取り入れ、スポーティーなラグジュアリースタイルを提案。
大きめのサングラスやクリア素材のアクセサリー、アクセントカラーが大胆に引かれたアイラインやリップもビーチムードの演出に効果的に用いられた。
ANTEPRIMA
来年30周年を迎え、節目となるショーを開催した「アンテプリマ」。「UNBOUNDED ENERGY(溢れ出すエネルギー)」をテーマに、真夏のような太陽光が差し込む中、2023年春夏コレクションを発表した。モノクロのグラフィックはイタリアの建築家でグラフィックデザイナー、マルチェロ・モランディーニ(Marcello Morandini)とのコラボレーションによるもので、今回のために制作されたオリジナル。ストライプや幾何学的なパターン、モノクロにイエローやレッド、ブルーといったアクセントカラーでコントラスを効かせた配色で、ビーチスタイルやジャケットスタイルなどシンプルな中にもエレガンスが光るルックを披露した。
フリンジを垂らした編み込みのバッグや、ブランドのアイコンでもあるワイヤーバッグはマイクロサイズでアクセサリー感覚で取り入れられ、スタイリングに軽やかさを添えた。
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