今年のお買い物を振り返る「2023年ベストバイ」。13人目は、グラフィックアーティストのVERDYさん。2023年は、「アンダーカバー(UNDERCOVER)」や「ケンゾー(KENZO)」とのコラボレーションを皮切りに、バドワイザージャパンのクリエイティブディレクターに就任したり、BLACKPINKのワールドツアーのアーティストディレクターを務めるなど、「とにかく忙しい1年だった」と振り返るVERDYさんが今年買って良かったモノとは?「シュプリーム(Supreme)」や「ボット(BoTT)」などのストリートブランドから意外な美容系アイテムまで、6点を紹介してもらいました。
目次
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NIKE ズーム ボメロ 5
F:まずは、「ナイキ(NIKE)」のスニーカーですね。VERDYさんといえば、エア フォース 1などのバスケットボールシューズのイメージが強いので、ランニングシューズのズーム ボメロ 5がベストバイに入るのは意外でした。
VERDY:今年、一番履いたモデルです。1月に仕事でパリに行った際にパートナーのパウロが履いていて「これめっちゃ履きやすいから、絶対買った方がいいよ」と勧められたのがきっかけでした。今までは、イメージされていたようにエア ジョーダン 1やエア フォース1、ダンクなどの定番モデルが好きで、機能性は度外視でデザイン性のみでシューズを選んでいたんですが、これは見た目も好きだし、何より履きやすさに感動しましたね。
あと、海外でズーム ボメロ 5を履いていると周りからの反応もすごいんです。「それめっちゃ良いよね」とか「comfortable(心地良い)だよね」と声をかけられることが多いので、評判のモデルなんだと感じますね。オーセンティックなヴィジュアルで、発売したら即完するような限定モデルとはまた違った魅力があるので、刺さる人には刺さるんじゃないかな。
F:スニーカーはナイキを履くことが多いですか?
VERDY:スポーツブランドのスニーカーは、基本的にはナイキでエアジョーダン1かエアフォース1ですね。ナイキ以外だと、「ケンゾー(KENZO)」や「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のスニーカーを履くこともあります。
F:ちなみに、これはどちらで購入されたんですか?
VERDY:これは、韓国の「現代百貨店」の地下にあるナイキショップで買いました。
F:今、韓国でホットと言われている現代百貨店ですね。
VERDY:そうです。いざ行ってみたらめちゃくちゃ盛り上がっていましたね。百貨店なんですが、開業した時にはいわゆるラグジュアリーブランドは少なかったのに、あまりにも集客があるからという理由でラグジュアリーブランドが続々入居するようになったそうです。中心地から少し離れた場所にあるのに、多くの人で賑わっていました。おそらく今韓国で一番盛り上がっているショッピングスポットだと思います。
UGG×PALACE SKATEBOARDS スリッポン
FASHIONSNAP(以下、F):続いてもシューズです。アグとパレススケートボードのコラボモデルですね。
VERDY:これが人生初のアグです。子どもが1歳6ヶ月になったんですが、靴を買いにアグの店舗に行ったんです。娘が履いているのを見て「可愛いな」と思っていた矢先に、今回のコラボのニュースを見て、すぐに購入を決めましたね。ポップなグラフィックが乗っかっているのが可愛くて、気に入っています。もし、自分がデザインするならこういうのをやりたかったなと思うくらい、好きなデザインですね。まだ履けていないんですが、子どもとお揃いで履きたいと思います。
F:素敵ですね。普段から、お子さんとお揃いのスタイルをすることはあるんですか?
VERDY:スニーカーだと、ナイキのエア ジョーダン 1は、よくお揃いで履きますね。
Supreme×BOUNTYHUNTER バーシティジャケット
F:続いては、シュプリームとバウンティハンターのコラボです。
VERDY:これは、発売のニュースを見た瞬間に「うわ、やば!」と思って買いました(笑)。個人的にかなり熱いコラボでしたね。
F:シュプリームは毎回コラボに注目が集まりますよね。
VERDY:僕は、自分でも服を作っているので、人と会うときは基本的に自分が作った服を着るようにしているんですけど、シュプリームやパレススケートボードなどのストリートブランドは、毎シーズン欠かさずチェックするようにしていますね。バウンティハンターに関しては、昔からデザイナーのヒカルさん(岩永光)にはお世話になっているし、ずっと好きなブランドなのに発売直前までコラボするのを知らなかったんです。ニュースを見た時はびっくりしましたね。これは絶対にゲットしなきゃと思って、バーシティジャケットの他にグリーンのシャツと、「SKULL-KUN(バウンティハンターのオリジナルキャラクター)」のフィギュアを買いました。
F:胸元の缶バッジもセットでついているものですか?
VERDY:この缶バッジは、最近バウンティハンターで発売されたものです。基本的に、スタジャンには缶バッジをつけるのが好きで、ちょうど良いタイミングで発売されたので、このスタジャンのために買いました。
Image by: FASHIONSNAP
F:ちなみに、アイテム発売のニュースはいつもどこでキャッチしていますか?
VERDY:インスタが多いですね。昔はファッションやカルチャー系のメディアを毎日チェックするようにしていたんですが、最近はインスタで流れてきたものから見つけることがほとんどです。自分の好きなテイストのものは自然とフォローしていて、フィードにも上がってくるようになっているので、その投稿で目についたものを買うようになりましたね。
BoTT×TTTMSW ニットポロ
Image by: FASHIONSNAP
F:続いては「ボット(BoTT)」と「ティー(TTTMSW)」初のコラボコレクションから、ニットポロですね。
VERDY:12月に発売されたもので、まだ買ったばかりです。ボットのデザイナーのTEITOくんとティーの玉田くんは文化服装学院時代から一緒に何かをやっているイメージがあったので、初コラボなのは意外でしたね。ボットもティーも次世代を担う日本発のブランドとして注目しています。ブランド自体も好きなので、お気に入りのアイテムですね。
F:デザイナーのお二人とは親交はあるんですか?
VERDY:ボットのTEITOくんとは仲が良くて、今回のコラボも彼のインスタを見て知りました。ティーの玉田くんは、同じ大阪出身なのに、なぜか今まであまり話す機会がなくて、最近になって知り合いになりました。
F:今年のベストバイは、コラボアイテムが多いですね。
VERDY:考えずに選んでいたけど、たしかにコラボが多いですね(笑)。無意識にコラボに惹かれているのかな...。特に、バウンティ×シュプリームのような、大好きなブランド同士のコラボだと買ってしまいますね。
F:服を選ぶ時は直感ですか?
VERDY:直感です。特に最近は、物欲が昔ほどなくなってきていて。もっと若い頃は、服屋に行ったら必ず欲しいものが見つかっていたんですが、そういう感情が徐々に薄れていっているというか。だからこそ、今はちょっとでも欲しいと思ったものは絶対に買うようにしています。「これ面白いな」とピンとくる感覚は、ものづくりをする時にも通ずる重要な感情だと思うので。
BIM フィギュア
F:続いてはラッパー BIMさんのフィギュアですね。これはBIMさんの公式グッズですか?
VERDY:そうです。ライブ会場の物販で買いました。BIMくんのMVに出ていたアニメーションのイラストが元になっているフィギュアです。
F:ベストバイに選ばれた理由は?
VERDY:なんでだろう。これ可愛いし、仲いいからかな...(笑)。いつも家に飾っています。
F:バウンティハンター×シュプリームでもフィギュアを買っていましたが、おもちゃを買うことは多いですか?
VERDY:おもちゃは好きですね。今、スタジオに置いているこれは「キャプテンクランチ」というシリアルのキャラクターで、ヴィンテージ物です。
F:おもちゃはどこで買うことが多いですか?
VERDY:下北沢にある「サウンズグッド(soundsgood)」というヴィンテージのおもちゃ屋さんによく行きます。キャプテンクランチもサウンズグッドで買いました。他にも、ヴィンテージのおもちゃを販売しているお店はたくさんあるんですが、ここは相場よりも価格帯が低めなので、よく覗きますね。
F:家にたくさん人形があると、お子さんも喜びそうですね。
VERDY:危ないのでたくさん置かないようにはしているんですが、子どものために買うこともありますね。今はやっぱりアンパンマンが好きみたいです。あとは、僕が作ったキャラクターの「ヴィック(VICK)」も、家にTシャツや子ども服がたくさんあるからか、気に入ってくれているみたいで嬉しいです。
F:おもちゃを買うときの基準は?
VERDY:服と同じで、直感で欲しいと思ったものを買います。先日、仕事でLAに行った際にも「ローズボール(Rose Bowl)」というフリーマーケットに立ち寄って、ピノキオの人形とE.T.の大きな人形を買いました。でも、後になって妻がその人形を調べたら、普通に日本のトイザらスでも同じものが売っていて。日本でも買えるのにわざわざLAで買っちゃいました(笑)。
F:(笑)。そんな数あるおもちゃコレクションの中で選ばれたのがBIMさんということですね。
VERDY:そうですね(笑)。
TAMBURINS ハンドクリーム
Image by: FASHIONSNAP
F:最後は、韓国発のフレグランスブランド「タンバリンズ(TAMBURINS)」のハンドクリームですね。ビューティアイテムがランクインするのは意外でした。
VERDY:自分で美容系のアイテムを買うことはあまりないんですが、手が乾燥しやすいので、ハンドクリームはいつも必ず持ち歩いています。これは形も可愛いので、気に入っていますね。
F:ハンドクリーム以外に、お気に入りの美容アイテムはありますか?
VERDY:美容には疎くて、どういうものがいいのかわからないので自分で買うのはハンドクリームくらいですね。あとは、ファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)のスキンケアブランド「ヒューマンレース(HUMAN RACE)」の洗顔と保湿クリームのセットはよく使っています。
F:タンバリンズは、まだ上陸前ですが日本でも話題になっていますよね。
VERDY:これは妻と韓国旅行に行った際に店舗で購入したんですが、すごい人だかりで、並んで買いました。BLACKPINKのジェニー(JENNIE)がブランドの顔になっていて、店舗の壁にはジェニーの写真が大きく飾られているので、その壁の写真を撮るために並んでいる人もいるほどでした。タンバリンズでは、ハンドクリームの他に、この香水も手に入れました。パールがついていて持ち運べるんです。
F:タンバリンズは、アイウェアブランド「ジェントルモンスター(GENTLE MONSTER)」の姉妹ブランドということもあって、ファッション性もありますよね。
VERDY:お店やパッケージもかっこいいですよね。旅行では同じくジェントルモンスターチームがやっている「ヌダーク(NUDAKE)」というカフェにも行ったんですが、おにぎり型のクロワッサンが出てきたり、内装もユニークで面白かったです。
F:今年は、韓国でよくお買い物をされていますね。
VERDY:今年はたくさん行きました。海外で1番行ったかもしれない。
F:韓国のカルチャーから影響を受けることはありますか?
VERDY:そうですね。韓国にはかっこいいものを作っている人が多いし、全体的にクオリティも高いです。日本と比べて、ファッションなどのカルチャーの歴史が長くない分、同世代はもちろん、僕より下の若い世代の子にも面白いクリエイターが多くて、日本人とはまた違ったパワーを感じますね。
F:どんな違いを感じますか?
VERDY:韓国は、国全体が盛り上がっているところが日本との大きな違いだと思うんです。BLACKPINK、BTSなどのK-POPもそうだし、Netflixのドラマや映画など、色々なエンタメが世界で評価されているじゃないですか。みんなが世界で評価されているコンテンツを近くで見ながらものづくりをしているので、「自分たちももっとできる」という自信につながっているんだと思います。そういうクリエイターを実際に目にして、刺激を受けることはありますね。
今年を振り返って
F:今年のお買い物を振り返って、改めて2023年はどんな一年でしたか?
VERDY:SNSを見て買ったものと、ふらっと入ったお店で買ったものと、両方ありましたね。今年は、仕事で海外に行く機会が多かったので、行く先々にどんなお店があって、どんなものが置いてあるのか、現地の人が何を好んで着ているのかが気になって、なるべく時間を作って買い物に行くようにしました。年々、自分が買ったものをSNSに投稿する頻度が減っていて、自分の中で振り返ることもできていなかったので、今回の取材を通して、改めて今お気に入りのものを見直すことができて良かったです。
F:日本では、どこに買い物に行くことが多いですか?
VERDY:日本だと、ドーバーが1番多いですね。やっぱりなんでも揃っているなと感じます。他には、スタジオが近い代官山や中目黒近辺もよく見ます。たとえば、この「ミステリーランチ(MYSTERY RANCH)」のバッグは、中目黒でふらっと入ったお店で買いました。昔、バウンティハンターのヒカルさんがミステリーランチのリュックを使っていたのが記憶に残っていたのもあって衝動買いしたんですが、なんでも入るのでかなり使っていますね。
F:今年は、バドワイザージャパンのクリエイティブディレクターや、BLACKPINKのワールドツアーのディレクターに就任されるなど、大活躍の一年だったと思います。
VERDY:とにかく忙しい1年でしたね。コロナ禍の約3年間は海外に行けなかったので、新しいアトリエを借りて個展を開いたり、日本国内でできることに集中していましたが、コロナが明けて、一気に色々なプロジェクトが動き出した感覚です。元々、コロナが明けたら、アジアに重きを置いて活動していきたいという目標を持っていたので、BLACKPINKやジェントルモンスターなど韓国のチームと仕事をする機会が増え、先日は中国のマクドナルドとのプロジェクトが実現したりと、目標が現実になったという実感があります。
F:それでは、最後に来年の抱負を教えてください。
VERDY:今年のようにコラボレーションの機会が多いのは良いことではあるんですが、来年はもう少し自分のプロジェクトに集中したいですね。今年は、今までやったことのないような大きな規模のプロジェクトを任される機会が多く、新しいことへの挑戦もできたので、この経験を通して学んだことがたくさんありました。来年は、この学びを自分のプロジェクトに活かしたいです。また、ずっと目標に掲げている3Dアニメーションの制作についても動き始めたい。まだ具体的にプロジェクトが進んでいるわけではないですが、時間をかけて少しずつ実現していきたいと思っています。
■VERDY
1987年大阪生まれ。WASTED YOUTHやGirls Don't Cryなどを手掛けるグラフィックアーティスト。今年は、「ケンゾー(KENZO)」とのコラボレーションをはじめ、バドワイザージャパンのクリエイティブディレクターやBLACKPINKのワールドツアーのディレクターに就任するなど、国内外で注目を集めている。
インスタグラム:@verdy
■グラフィックアーティスト VERDYのベストバイ
・2019年に買って良かったモノ
■2023年ベストバイ
・ファッションエディター 大平かりんが今年買って良かったモノ
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