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繊研plus東京・銀座の百貨店の上層階が熱気に包まれていた。それは先月行われた「靴磨き選手権大会2023」(日本皮革製品メンテナンス協会主催)の準決勝・決勝戦の現場だ。大会としては3年ぶりの開催で、会場となったフロアには立ち見を含め、愛好家など150人超が集まり盛り上がった。有料観覧席(30席)も即完売するほどの人気だった。
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コロナ禍以前から靴磨きへの関心は高まっていた。18年にはシューケア用品のアールアンドデーが9月23日を「靴磨きの日」として記念日に設定し、東京・青山で当日にイベント「靴磨きフェス」を開催した。併せて一般社団法人・皮革製品メンテナンス協会も発足した。
同協会は革製品の製造や販売に携わる人々をはじめ、靴磨きや修理にかかわる職人などの社会的な地位向上やスキルアップも支援する。「手入れして長く使え、経年変化が楽しめる天然皮革の魅力を伝える」ため、今回から靴磨き選手権大会の主催を引き継ぐ。競技以外に、靴磨きに触れるワークショップや靴磨き教室なども開いた。
コロナ禍が革靴需要の激減に拍車をかけた。それでも、愛好家の革靴への熱い思いが消えることはない。サステイナブル(持続可能)な生活や経済活動が求められるなか、靴磨きの文化は今後も見直されるだろう。記者も年末年始、久しぶりに靴を磨こうと思う。
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