「エドワード・グリーン(Edward Green)」や「ジョン・ロブ(John Lobb)」を始め、「デルヴォー(Delvaux)」、「セルジオ・ロッシ(Sergio Rossi)」といった海外の名門ブランドを日本に紹介し、さらにベルギー王室御用達ショコラティエ「ピエール マルコリーニ(PIERRE MARCOLINI)」を手掛けてきた。いまでは「清澄白河をコーヒーの街」にした火つけ役、スペシャリティコーヒー「ザ クリーム オブ ザ クロップ コーヒー(THE CREAM OF THE CROP COFFEE)」、丸の内界隈の秘書に評判の手みやげ専門店「カドー(Cadeau)」などもオリジナルで手掛ける、まさに「インポートブランドや上質な嗜好品のパイオニア」である株式会社キャンディーグループの田島雄志氏。佇まいも英国紳士そのもので、多くのファッション業界関係者から慕われてきた田島雄志氏が、新たにスキンケアブランド「U1R(ユーワンアール)」を立ち上げ、12月13日に東京・青山の骨董通りに直営となる旗艦店をオープンした。
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田島雄志氏は「人と地球のためになりたい」という想いから「U1R」を始めたという。「ブランド名のU1Rは、『Unite』『1』『Respect』の3つのキーワードから取ったもので、"ひとりひとりが繋がり合い大切に想う”という意味を込めています。特別なスキンケアというよりも、女性だけでなく、男性や子ども、お年寄りも含めて、家族みんなで使えるものを作りたいと思ったのが始まりです」と説明する。青山の旗艦店は天然素材にこだわったブランドに相応しく、店内は緑色を基調とし、壁にはオランウータンや樹木が描かれた落ち着いた空間だ。「店内のデザインをこのようにしたのは、ブランドの根本が『セーブ ジ オランウータン』で、緑やオランウータンを守っていこうということを伝えたかったからです。そして、売り上げの一部は森林保全団体の『モア・トゥリーズ(more trees)』に寄付します。環境だけでなく少しでも社会にも役立つようなブランドにしたい」と語る。
「U1R」は、パーム油を一切使用せず、厳選したヤシ油、オリーブオイル、シアバターなどが使われている。パームオイルは安価なため、世界で一番使われている植物油だが、パーム油はオランウータンが住む森にあるアブラヤシから採取される。アブラヤシを採るために木を伐採することでオランウータンが住む場所が今も失われている。マレー語で「森の住人」を意味するオランウータンは、こうした環境破壊や森林乱獲などの影響により、過去100年の間におおよそ80%減少したと言われており、絶滅寸前の危機にさらされているのだ。「U1R」の主力商品の1つである石鹸は、厳選したヤシ油、オリーブオイル、シアバターなどが使われており、保湿効果が高く、しっとりとした肌に仕上がるだけではなく、パーム油を使わないことでオランウータンと森林の保護に繋がっている。「ブランド自体は2022年に立ち上げましたが、コロナ禍をきっかけに世の中の風潮が変わり、私自身も変わりました。たくさん作ることはなにか悪いことのようになってきている気がしますが、人と地球のことを考えながら丁寧にものづくりをすることで社会に役立つことが大切だと考えています」。
「U1R」には、「フィレンツェ」「ローマ」「ナポリ」とイタリアの街名が付いたオードトワレもラインアップしている。金型を海外で起こし、ガラスはすべてイタリア製を使用しており、田島雄志氏らしいこだわりを感じさせる。「19歳でイギリスに留学した当時、ルームシェアしたイタリア人が『ディオール』の香水をかけてクラブに遊びに行くのを見てフレグランスに興味を持ちました。イギリス人からもフレグランスをベッドに振って意中の相手が部屋を訪れた際に良い香りを楽しんでもらうんだと教わったことを今でも覚えています。実は、今から25年前にグラースの薬剤師や調香師とともに作った、オリジナルのフレグランスがすでにできあがっていたのですが、あまりに多忙で寝かせたままでした。U1Rの3つのフレグランスはその時に作ったものをリプロダクトしたものですが、これもいわばサステナブルな取り組みでもあります」。
「U1R」のブランド構想については、「ナチュラル思考で、しかも環境保護への意識が高い人たちに使ってもらいたい。まずはこの青山の旗艦店でブランドとしての基盤をしっかり作っていき、パリのデパート『ボンマルシェ』にあるような店を意識していきたい」と語る。「『セーブ ジ オランウータン』は社訓の代わりのようなもので、ここをブレない魂として持ち続けたい。ただオランウータンが好きでたまらないというわけではない、昨今、ナチュラル、オーガニック、ヴィーガンと言われている多くのスキンケアブランドが数多くあり、膨大なパーム油が使用されています。私たち U1R は安価という理由だけでアブラヤシが伐採され続けていることを問題視しています」と、ブランドのフィロソフィーについての強い思いを見せた。
「U1R」は、石鹸(各85g、コーヒー:2,200円、ヒノキ:2,200円、カレンデュラ:2,420円)、ヘアシャンプー(400ml、5,170円)、ヘアコンディショナー(400ml、5,390円)、ボディソープ(400ml、4,950円)、オードトワレ(各100 ml。各1万6500円)、マルチバーム(20ml、3,850円)などを展開する。
■「U1R 青山店」
住所:東京都港区南青山5-12-2
電話:03-6450-6774
公式インスタグラム:@u1r_creamofthecrop
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