スポーツ用品・機器業界のトップ企業として業界をリードし、さらなる成長を続けるアメアスポーツジャパン。「サロモン」、「ウイルソン」、「アトミック」、「アークテリクス」、「アルマダ」、「ピークパフォーマンス」といった世界のアウトドア・スポーツ界を牽引するブランドを展開している。同社を率いるショーン・ヒリアー氏に、ご自身のキャリアヒストリー、アメアスポーツジャパンのビジネスの魅力や企業文化、今後の展望などについてお話を伺った。
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ショーン・ヒリアーさん/アメアスポーツジャパン株式会社 代表取締役社長
1970年アメリカ生まれ。ソフトグッズとアウトドア業界でのキャリアを重ね、デッカーズ、ペントランド、アメアスポーツ、VFコーポレーション、クラークスなどで20年以上に渡ってキャリアを築く。クラークス在籍時は日本と韓国のGM兼代表取締役を務めた。2021年8月より現職。
兄の影響を受け、環境にも恵まれ、スポーツに夢中になった子ども時代
― 幼少期からスポーツ三昧だったそうですが、スポーツに興味を持ったきっかけは何だったのですか。
年上の兄の影響が大きいですね。私が育ったシアトルはスポーツができる環境が充実していて、野球、バスケットボール、水泳などいろいろなスポーツに挑戦しました。野球のグラブを買うためにアルバイトをしたり、バスケットボールを抱えて一緒に寝たり。兄に負けたくないという気持ちが私をスポーツに熱中させたのだと思います。友だち関係もスポーツで繋がっていました。寝る、食べる、スポーツ、たまに勉強。そんな子供時代でした(笑)。
― 日本ではひとつのスポーツをやり続けることが多いですが、アメリカはいろいろなスポーツに親しむ方が多いですね。
アメリカでは楽しむスポーツが季節ごとに異なり、チームスポーツも個人スポーツも通年楽しみます。私は中学入学後にテニスに出会い、夢中になりました。日本との最初の接点もテニスです。私が通っていた高校が、たまたま日本のトップ選手のトレーニング拠点となったため一緒に練習することが出来ました。けっしてレベルが高いとは言えなかった私の高校が2年間で州チャンピオンになれたのは、日本チームのコーチと選手のおかげです。
18歳の時には日本を訪れ、テニスの試合に出るだけでなく子どもたちに教えたりもしました。30年以上前で当時はまだ外国人が珍しかった時代です。3カ月間滞在しましたが、蒸し暑く、言葉や食文化もわからず、最初は辛い思いをしていました。でも、なんとか日本語での挨拶や、箸で食事ができるようになってくると、欧米とは異なる日本文化への興味が高まり、大学では国際経済とアジアスタディーズを専攻しました。そこからマイライフが始まりましたね。
スタートは日本の商社から。ステップバイステップで築いたキャリア
― 大学卒業後の進路は、スポーツ関係を志望されていたのですか。
最初はIT関係に進もうと考えていました。日本留学中に大手IT企業などへ就職活動を行ったのですが、うまくいかず……。あと2週間でビザが切れるというタイミングで、スポーツ用品やスポーツウェア、アウトドアブランドの代理店業務などを手掛ける商社に就職が決まったのです。ただ入社2年後に倒産してしまったため、商品開発を手掛ける会社を立ち上げました。日本とアジアのマーケットで楽しくビジネスをしたのですが、次第にブランドビジネスに携わりたいと思うようになり、転職した先がペントランドです。
― その後はどのようにキャリアを築いていかれたのですか。
ペントランドでは初めて自分のチームを持ち、企業内コミュケーション、ビジネスのプロセスなど、中小企業では経験できなかったことを多く学ぶことができました。そしてもっと深くアジアを理解したいと考えてアメアスポーツに移籍し、サロモンのアジア・パシフィック責任者として上海へ。家族の理解もあり、妻も子どもたちもついてきてくれたのであらためて家族の大切さを感じましたね。7年後、子どもたちの高校進学のタイミングで日本に戻るため、VFコミュニケーションに移りました。その次のキャリアがクラークスです。どの会社の仕事も楽しかったのですが、やはりスポーツ領域を手掛けたいと思い、妻の後押しもあってアメアスポーツに戻ることにしたのです。
スポーツを通してよりよい世界をつくるために大切なのは社員&チームワーク
― そして、2021年にアメアスポーツジャパンの代表取締役社長に就任されました。御社のビジネスの強みについてお伺いできますか。
当社の最大の強みは、ブランドポートフォリオです。素晴らしいブランドを取り揃えており、絶対的な自信があります。ブランドごとに異なる世界観を持っているため、全ブランドを一カ所に集めて販売することはまったく考えておらず、各ブランドのエンドユーザーのニーズを考えた上でそれぞれの目標を策定しています。
前提としてあるのが、当社のパーパスである「ELEVATING THE WORLD THROUGH SPORT(スポーツを通じて世界を向上させる)」という考え方です。アメアスポーツの商品を使ってスポーツをすれば健康になる。健康になれば生活が楽しくなる。またスポーツを通して仲間のネットワークやコミュニティが持てる。スポーツをやればメンタルヘルスも改善する。するとチャレンジするようになり、自信がつく。自信がつけばさらに楽しい生活になる。今までとは違う世界も見えてくる。
アメアスポーツジャパンはそんな好循環をサポートする会社でありたいと考え、常にエンドユーザーのことを念頭に置きながら「スポーツを通してもっとよい世界を作るには」「そのために達成すべき各ブランドの目標とは」を検討し、ビジネスプランを策定しています。
さらにパーパスの上には社員がいます。“Business is People”であり“Life is People”です。エンドユーザーはとても大事ですし、日本の人々の暮らしや人生をよりよくしたい。その実現には、まずは社員です。そしてチームワークを高めなければうまくいきません。
― チームワークづくりのためのコミュニケーションを大事にされるショーンさんは、店舗にも頻繁に足を運んでおられるそうですね。
店舗を巡るのが大好きで、平日2日間は必ず、加えて週末にも店舗を訪問しています。多い月だと10日間くらい足を運びますね。直営店では社員の理解度、現状をヒアリングしたり、コミュニケーション能力を確認したりしています。BtoBの小売店にも出向きます。店舗状況を把握するのはもちろん、ときにはエンドユーザーにも声を掛け、情報収集を行っています。エンドユーザーの声を直接聞くことができるのですごく楽しいですし、勉強にもなります。休日はリゾートも楽しみながら、どんな課題があるか、どんなチャンスがあるかをリサーチしています。
― リテールの直営店を拡大していくというお考えでしょうか。
直営店がなぜ必要なのか。それはブランドの力を見せることができるからです。そのため今後直営店舗を増やしていく計画があります。ただ、直営店の場合は出店場所がある程度限定されるため、それ以外のエリアをカバーするBtoBの小売店も重要だと考えています。アウトドアやスポーツのコアユーザーと幅広くコミュニケーションを取るには、BtoBの小売店のみなさんの力が不可欠ですからね。また、今後はさらにオンラインの強化も図っていきたいとも考えています。私たちはエンドユーザーが購入している、購入できる場所に必ず存在したいと思っていますので、BtoCもBtoBもオンラインも全てリンクさせたビジネス展開を考えています。
アメアスポーツのブランドの商品を使えば楽しくスポーツができる、自分のやりたいことを安全に楽しめる。そうすればもっと幸せになれる。そう言い切れるプライドがあるからこそ、もっともっとエンドユーザーに私たちの商品を伝えていきたいと考えています。
社員の成長に繋がる機会を提供できる会社でありたい
― ショーンさんが重視されているコミュニケーションは、アメアスポーツジャパンの企業文化の醸成にも繋がっているのではないでしょうか。
それはあると思います。現在当社は企業変革を推し進めています。仕事は楽しく、おもしろく。では仕事の楽しさとは何か?それは、チャレンジすることです。そこで社員がいろいろなことにチャレンジできる環境づくりに力を注いでいます。
例えば、冬場になると社員のスキー場のリフト券無料サポートや、社内の仲間で行う部活動(バスケットボールやボルダリング)の費用サポートなど、もっとスポーツを楽しむ人が増えるようなサポートも現在は行っています。
テレワークなど柔軟なワーキングスタイルも導入し、仕事一辺倒ではなく、人生を楽しむことを応援しています。ダイバーシティも重要視しており、いま以上に女性や外国人もマネジメントチームに参加できるような仕組みづくりにも着手しているところです。
― 成長を続けるアメアスポーツジャパンですが、今後の展望についてお聞かせください。
ポイントは3つあります。ひとつは「起業家精神」を持っていること。ふたつ目は「チャレンジ精神」です。チャレンジしなければ勉強にならないし、勉強にならなければうまくいきません。取り巻く環境は常に変化しているため、私たちも変化しなければならず、そのためにはチャレンジが不可欠なのです。最後に「意志の強さ」です。負けない、止めない、やり通す。困難に直面しても、学んで、理解して、チャレンジして前へ進んでいく力。私がスポーツを通じて培ってきたこの3つを備えている方とぜひ一緒に仕事をしたいです。
「アメアスポーツジャパン」が持つ「SALOMON」や「ARC’TERYX」では、事業拡大により新店舗立ち上げメンバーやオフィススタッフなど新しい仲間を積極的に募集しています。記事を読んでアメアスポーツジャパンの想いや考えに共感し、一緒にチームと共に成長していきたい方はぜひこちらからご応募ください。
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