多様な白の再現力が強み
ファッションビジネス専門紙「繊研新聞」公式サイト
繊研plusシキボウの中東の民族衣装トーブ向けの輸出が堅調だ。40年以上の技術開発と品質管理(QC)への信頼に加え円安が売り上げをけん引し、24年度(25年3月期)の上期の契約分まで売り切った。信頼性や色の再現性の高さを強みとする。
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売上高は22年度実績に対し、約20%増で推移。数量ベースでは10~15%増えている。インドネシア生産の生機や日本への輸送コストが上昇し、値上げも実施している。長年培った高く、安定した品質の信頼感から、価格が上がっても多く受注している。
同社の強みは色の管理レベルの高さだ。同じ白でも地域によって好みが変わるため、そのわずかな色味の違いを表現し、同じ色合いで提案し続ける再現性の高さが重要となる。硬い、柔らかいなどの風合いも売り先によって変わるため、品質にブレがないか目視で見極める徹底した品質管理で、海外品と差別化する。
通常、トーブの販売は商社を経由するが、同社は直接販売するルートも持つ。「苦労はあるが直接顧客と取引することで、色や風合に対する要望など市場のトレンドを把握できる」とメリットも大きい。
ポリエステル100%の定番素材に加え、差別化糸の生機なども打ち出す。二層構造のモダール混「セルグリーン」はハリコシときれいなドレープ性が特徴で、握った後もしわになりにくく、高級品として提案している。新素材の開発や、他国での販路開拓などで成長を目指す。
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