グラフィックデザインと「文字」の関係性を紐解く展覧会「もじ イメージ Graphic 展」が、21_21 DESIGN SIGHTで開催される。期間は11月23日から2024年3月10日まで。
同展では、近代のグラフィックデザイン史の中でも、特にDTP(Desktop Publishing)と呼ばれるパソコン上で出版物や印刷物のデータ制作を行うことが主流になった1990年代以降のデザインを、文字とデザインの関係から紐解く。ディレクターは、グラフィックやタイポグラフィに関する数々の著書を手がける編集者の室賀清徳、グラフィックデザインの研究を行う後藤哲也、グラフィックデザイナーの加藤賢策の3人が務める。
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会場では、国内外約50組のグラフィックデザイナーの作品を通して、漢字や仮名の使い分けや、縦書き、横書きといった特有の表現方法を持ち、文字と図像が混ざり合う日本のグラフィック文化が、グローバルなデジタル情報技術とどう向き合い、何を生み出してきたのか、生み出していく可能性があるのかを「造形性」、「身体性」「メディア」などの13のテーマに分けて紹介。世界中で同じアプリケーションが使われるなど、情報整理や問題解決の効率化により、現代のグラフィックデザインは国際的に均一化が進む一方で、アートと技術の間で発展を遂げた「デザイン」が持つ論理や効率だけでは説明できない複雑さを掘り下げることを目指すという。
日本の携帯電話発祥の絵文字が「EMOJI」としてグローバルな通信システムに取り入れられたように、様々な文化が入り混じることで発展している現代のグローバルデザインの中で、日本のデザインについて考えるためには、「“日本の伝統的な美意識“を持ち出すだけでは現代のリアリティに接続できない」とディレクターの室賀はコメント。多くのデザインの歴史書は1980年や1990年代の記述を最新のものとするのに対して、同展では1990年代以降のポストデジタル時代に紡がれたグラフィックデザインの文脈を標榜することで、新たな歴史の中でグラフィックデザインが持つ力を考え直し、グラフィックデザインの楽しさや豊かさを再発見できる空間を表現するという。
◾️21_21 DESIGN SIGHT 企画展「もじ イメージ Graphic 展」
会期:2023年11月23日(木・祝)〜2024年3月10日(日) ※火曜日休館(12月26日は開館)、年末年始休館(12月27日〜1月3日)
営業時間:10:00〜19:00(入場は18:30まで)
会場:21_21 DESIGN SIGHTギャラリー1&2
所在地:東京都港区赤坂 9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン
入場料:一般1400円、大学生800円、高校生500円、中学生以下無料
公式サイト
メインビジュアル
Image by: 21_21 DESIGN SIGHT
室賀清徳
Image by: 北村みなみ
後藤哲哉
加藤賢策
立花ハジメ「Typography」(1992)
菊地敦己「第18回グラフィック『1_WALL』展」(2018)
立花文穂書籍「球体1 文字のはなし」(2007)
みふねたかし 「家族のイラスト」(2014)
BALCOLONY. 「『魔法少女まどか☆マギカ』1 完全生産限定盤 Blu-ray」(2011) ©️Magica Quartet/Aniplex・Madoka Partners・MBS
寄藤文平 「東京メトロ マナーポスター『家でやろう』」(2008)
大日本タイポ組合 「トイポグラフィ」(2007)
水戸部 功 書籍「テッド・チャン『息吹』」(2019)
大島依提亜 映画「ヒッチコック/トリュフォー」(2016)
中島英樹 「Cut 1998年1月号 No.66 ユアン・マクレガー&キャメロン・ディアス」(1998)
北川一成 「ロゴ各種」(2009)
上堀内浩平 「山谷酒場」(2018)
鈴木哲生 「『群像』ロゴの清書」(2019-2023)
三重野 龍 「京都dddギャラリー第223回企画展 GRAPHIC WEST8: 三重野龍 大全 2011-2019 『屁理屈』」(2019)
山田和寛 書籍「作字百景 ニュー日本もじデザイン」(2019)
大原大次郎 「黒板」(2009)
石塚 俊 「MOTアニュアル2019『Echo after Echo:仮の声、新しい影』」(2019)
投票ポスタープロジェクト 「投票ポスター」(2022・抜粋)
王 志弘 書籍「藤本健太郎/柯志杰『字形散步 走在台灣: 路上的文字觀察』」(2019)
Experimental Jetset 「NAiM Out of Fashion」(2011)
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