若者の間では画像や動画でのコミュニケーションや情報収集が定着しています。彼らにとって動画は「視聴するもの」であると同時に、「自ら編集するもの」でもあります。
ADVERTISING
アラウンド20(15~24歳の男女)424人を対象に実施した調査では、全体の約4割が「動画編集の経験がある」と回答しており、女子高校生に関しては5割を超える結果となりました。
思い出を動画に
今の若者は、小、中学生の頃にアプリで「歌詞動画」を作るのがトレンドになったことをきっかけに、友達の誕生日に動画を作ったり、学校での思い出を動画にまとめるなど幼い頃から動画編集に慣れ親しみ、動画がコミュニケーションツールとして身近にありました。
頻繁に編集する動画のジャンルとしては「友達との思い出」が最も多く、次に「推し関連・ヲタ活」、「ライフスタイル・Vlog系」と続きます。学校の部活やサークル活動の一環として動画を活用している実態も見られ、動画編集を手掛けるシーンは多岐にわたります。
動画編集をしている様子を見ていると、自由に編集しているのではなく、SNSからトレンド動画で「型」を見つけ、その型に沿って制作していることが多いとわかります。
「このシーンから始まる動画をよく見るからマネしてみた」「この楽曲を挿入歌にすると視聴されやすい」などの声も聞かれています。「他人が見やすい動画であるか」を意識して制作するために、日々SNSで触れている動画を、参考にしている実態が見られます。
視聴しやすい「素人感」
彼らの編集する動画は、決してクオリティーが高いものばかりではありません。しかし、プロフェッショナルが作る動画とはまた違った、魅力や利点があるのです。
実際に若者の情報収集の実態を見てみると、彼らにとって動画編集者の「素人感」が伝わる動画のほうがより視聴しやすく、身近で信頼できる情報と判断される傾向もあります。
今の若者は、SNSを中心とした動画を介したコミュニケーションや情報収集で、「クオリティー」よりも自分たちのテンションとの「フィット感」を重視しています。これは、動画のテンポやエフェクトなどの細かい部分から判断されています。
この「フィット感」がないと動画が視聴されず、届けたい情報もスルーされてしまう可能性もあります。そのため、企業にとっても非常に重要な感覚です。
若者たちに今後企業が各プラットフォームで最適な形で情報を届けていくためには、CMなどプロフェッショナルが作る質の高い動画に加え、若者が編集しているような「素人感」のある動画も提供できる、クリエイティブの幅の広さが必要になります。
ADVERTISING
PAST ARTICLES
【繊研plus】の過去記事
RANKING TOP 10
アクセスランキング
銀行やメディアとのもたれ合いが元凶? 鹿児島「山形屋」再生計画が苦境