ベルーナは8月、「吉見ロジスティクスセンター」を増築し、稼働を開始した。通販事業において、外部倉庫の在庫を集約することによる倉庫費用削減や、ベンダー物流の引き込みによる商品横持ち費用の削減、物流受託事業のキャパシティー拡大を目的としたもので、増築棟の延べ床面積は9万8350平方メートル。投資予定額は約130億円となっている。AGV(無人搬送車)などを導入することで、作業時間の短縮を図る。
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8月23日には同センターで竣工式を実施。関係者29人が出席して神事が営まれた。あいさつした同社の安野清社長は「50年前、自宅に掘っ立て小屋のような20坪の倉庫を作ったのがスタートだが、今回の増築で合計6万坪の倉庫となったわけで、大変立派なものができたと感じている。この物流センターができたことで、ベルーナもより成長できるのではないか。『倉庫が足りなくなった』となるくらい、しっかりと営業に取り組んでいきたい」と述べた。
増築棟は「GTP(GoodToPerson)」をスローガンに、AGVを133台導入し省人化を進める。約700万点だった保管能力も、約1100万点まで引き上がった。そのため、外部倉庫に預けていた商品も保管可能となり、倉庫費の削減も見込める。
折込チラシやテレビCMなどで紹介された売れ筋商品や季節商材など、引き当てが多い商材を主に配置する。既存棟から運ばれてきた商品を「スピードローダ」と呼ばれる機械で、AGVに乗せて運ばれてくる、黒い商品棚の空の間口に商品を補充。スピードローダは同社オリジナルの機械で、マテハン会社と共同で開発したものという。
人力で商品を補充するのではなく、自動的に商品を補充する。商品を入荷から出荷まで、オリコン単位で管理ができているため可能になった仕組みという。また、AGVが棚ごとピッキング作業者のいるスペースまで搬送するため、ピッキング作業者は歩く必要がなくなり、生産性が大幅に向上している。
増築棟に配置する商品は、あらかじめ「高ランク商品」として基幹システムに登録しておくことで、入荷後自動的に増築棟へ運ばれてくるもので、カタログの配布期間やテレビCM放映期間など、商品が売れる時期を見越し、あらかじめ配置する期間を指定しておくことも可能という。また、売れ行きが悪くなってきた商品については、自動的に既存棟の倉庫に搬送される仕組みとなっている。
これまでは、出荷ランクの高い商品を人間が調べて、適正な在庫の配置を考えながら出荷作業を行っていたが、増築棟では売れ筋商品が自動で搬送され、補充されることになる。
そのため既存棟での作業に比べると、ピッキング作業の時間を20%程度削減できる見込みだ。
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