タキヒヨーはベビー・キッズ部門が好調だ。採算重視で強みのキャラクターアイテムなどに注力し、今上期(23年3~8月)の利益が拡大。一昨年スタートしたECや昨年からの新ブランドもけん引した。下期も新販路開拓や新ブランド開発を進め、通期売上高は前期実績(約118億円)並みを計画する。
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(小坂麻里子)
急激な円安や原材料高への対策として、昨年の下期から利益重視の商品政策に切り替えた。低収益のトドラー向け水着を縮小、売り上げは下がったものの「内容は良くなっている」(市原俊明執行役員ガーメント第2グループ)と今上期、早くも手応えを得ている。特に大手専門店チェーンとの取り組みが拡大。ディズニーなど強みとするキャラクターアイテムが好調だった。
22年夏に立ち上げた大手専門店向け専用ブランドも順調だ。子育て中の母親の声を反映し、キッズ向けのアパレル・雑貨中心に企画。感度の高い子育て世代のインフルエンサーによるSNS発信で話題を呼び、同社が運営するインスタグラムの公式アカウントのフォロワーは3万7000人を超えた。
BtoC(企業対消費者取引)事業も軌道に乗る。21年秋冬から立ち上げたオリジナルのベビー・キッズアパレルのEC「マ・ルミエールストア」は固定ファンを獲得。色やサイズのバリエーションが豊富な手描き風Tシャツやカットソーパンツが売れている。今後さらに収益力を上げるため、割引率の変更や他のECモール出店を視野に入れる。
下期は既存先との取り組みを太くしながら、新規販路の開拓を強める。新たな卸先として全国チェーンのドラッグストアでベビー用品の本格販売が決まった。上期に5店で試験販売を開始、売れ行き好調な2型を9月から200店に拡大する。子育て世帯が利用する郊外店で値頃な商品を販売し、扱い店舗数をさらに広げる計画だ。このほかレディスで取引のあるジーンズカジュアル専門店にアプローチし、大手ホームセンターへはサンダル、キャップなど雑貨中心に提案する。
また前期、複数の新ブランドが好調だったこともあり、下期も新ブランド立ち上げを計画する。ベビー・トドラー向けのライセンス契約が進行中で、来年2月に店頭販売を開始する予定。絵本やキャラクターといったコンテンツ系も拡充する。
「バディー・リー」など既存ブランドも引き続き注力し、好調なフォーマルウェアも充実させる。24年春男児・女児向け入卒企画は、カジュアルトレンドやフォーマル要素を取り入れた。女児入学向けはベースカラーと同系色のチェックやプリントでトレンドを意識。女児卒業向けはスーツスタイルでよりかっちりしたテイストを演出する。男児向けは米東海岸のニュートラッドを意識し、アクセントカラーのネクタイなど多彩に揃える。
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