人々の日常と美しさの共存を目指し、斬新なカラーとデザインにサスティナブルな素材を融合させた、韓国発のファッションライフスタイルブランド「JOSEPH AND STACEY」。今回「JOSEPH AND STACEY」がNESTBOWLのコラボレーションサービスを活用してトータルレザーブランド「genten」や海外有名ブランドのライセンスビジネスを展開している「クイーポ」とのコラボが実現。「JOSEPH AND STACEY」の国内正規総代理店契約を締結する運びとなった。コラボに至る背景、そしてビジネスパートナーとしての想いと今後の展開について、JOSEPH AND STACEY 創業者 ホ・ジスク氏と、クイーポ取締役 岡田氏に話を伺った。
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ホ・ジスクさん/株式会社March International 創業者
大学時代に、経営学とファッションについて学ぶ。韓国の大手Eコマースサイトの創設に立ち合い、バイヤーとして海外を周り、商品買い付けや企画などを担当。2009年に社内で「JOSEPH AND STACEY」のブランドを立ち上げる。2013年に独立し、株式会社March Internationalを設立。現在CEOを務める。
岡田 孔明さん/株式会社クイーポ 常務取締役営業本部本部長
1990年生まれ。東京都出身。早稲田大学を卒業後、伊藤忠商事株式会社へ入社。主にヨーロッパとのインポートビジネスを手掛ける 。2020年クイーポ入社。
若い層にアプローチできる商品力に期待
― まずはクイーポ岡田様にお伺いしますが、今回、JOSEPH AND STACEY様のどこに興味を持ち、コンタクトに至ったのでしょうか。
岡田 孔明さん(以下、敬称略):弊社クイーポは、自社レザーブランド「genten」とライセンスブランドの展開をしています。ライセンスビジネスでは、老舗ブランドとのおつきあいが長く、現在も数多くの老舗ブランドとライセンス契約を結んでいます。一方で、そこは継続しながらも今後は新しいブランドもどんどん発掘し、日本市場、なかでも若い層に発信していきたいとの方針を打ち出しています。また、若者に人気ある韓国ブランドにも着目していました。そんな中、NESTBOWLで紹介されていたJOSEPH AND STACEY様のことを知りました。
タイミングよく、新宿伊勢丹でJOSEPH AND STACEY様のポップアップが行われていたので、弊社の新卒社員と行ってみたところ、ものすごく評判がよかったのです。若い新入社員が、JOSEPH AND STACEYの商品を見た瞬間「わあ、かわいい!」と顔を輝かせた姿がとても印象的で、これは売れる、と確信しました。
― 若い社員の反応も、ひとつのきっかけになったのでしょうか。
岡田:そうですね。発掘した新しいブランドを若い層に発信していくためには、若い世代の感性が必要です。近年は新卒採用にも力を入れ、新人の感性に耳を傾けることを大切にしています。
― 岡田様ご自身は伊勢丹のポップアップを見て、JOSEPH AND STACEY様というブランドにどのような印象を持ちましたか。
岡田:商品カラーの豊富さにまず魅かれました。伊勢丹の白い空間に、あれだけのカラーバリエーションに富むカラフルなバッグが並ぶと、ものすごく目立ちます。JOSEPH AND STACEY様独自の発色やカラー展開は日本のブランドにはなかなかありません。また、サスティナブルに考慮した商品であることも、当社の理念と共通したものがあり、ぜひコラボできたら、と思いました。
顧客重視」と「クラフトマンシップ」がクイーポとJOSEPH AND STACEYの共通点
― 続いてホ様にも話をお伺いします。2022年に日本市場での展開を開始して、ドラマやセレクトショップなどとコラボ展開しながら知名度を高めてきたと思います。そんな中、クイーポ様からのアプローチがあったわけですが、それに対しホ様はどのような印象でございましたか?
ホ・ジスクさん(以下、敬称略):ブランドを大きく育てていくには、顧客の声にしっかり耳を傾けながらモノづくりをしていくことが大切だと私たちは考えています。クイーポ様は、私たちのそうしたスタンスに共感してくださいました。また、クイーポ様は、ライセンス契約を結んでいるブランドとも、コミュニケーションを重ねながら展開し、小さな積み重ねを何度も何度も繰り返しながらブランドを大きくしていく会社だという印象を持ちました。さらに、自社ブランドで培ったクオリティの高い製造技術を持っているからこそ、クラフトマンシップに基づいたモノづくりへのこだわりや理解を互いに共有できると思いました。
当初は、マーケティングに特化した会社とコラボしようと考えていましたが、製造にも強く、モノづくりの現場をよく知るクイーポ様とコラボしたほうが、JOSEPH AND STACEYを日本市場で大きくできるのではないか、と思ったのです。
クイーポ様の自社ブランド「genten」のことも、以前、日本の市場調査をした際に知り、購入していました。お客様が望むものを商品に反映していますし、独自のハンドステッチの仕上がりも素晴らしくてお気に入りの逸品です。
本当に質の高い、良い商品を作ることは、簡単ではありません。私たちも、商品作りの難しさはよくわかるので、クイーポ様の商品には、尊敬の念を抱いています。
岡田:ありがとうございます。モノづくりについては、これまでしっかりやってきましたので、そこをホさんにご理解、ご共感いただいたことが、今回のいいご縁につながったのだと思いますし、私たちクイーポを選んでいただき、本当に嬉しく思っています。
私たちも、大切なブランドをお預かりしたことに大きな責任を感じています。JOSEPH AND STACEY様は、ホさんのお子様だという気持ちで取り組んでいきたいと思っています。
本音で話すことで、ビジネスを迅速に、スマートに進める
― 今回、両者のマッチングが成立したことで、より日本での知名度も広がりますね。
ホ:どのような展開をしていくかについては、クイーポ様とコミュニケーションを取りながら決めていきたいと思っています。はじめライセンス契約でのご提案だったものの、その後すぐに国内総代理店でのご提案を改めていただき、契約に至ったことは、JOSEPH AND STACEYブランドを信頼してくださったからだと思います。こうした信頼関係を築けたことも嬉しいですね。
― 双方の想いが合致しているからこそ、スピーディーにお話が進んでいることがうかがえますね。
岡田:そう、そこなんです!そのうえで、JOSEPH AND STACEY様側ではホさん、そしてクイーポ側では私という、決定権のある両者が直接話をすることで、スピード感がアップしています。お互いができること、できないことを明確にしながら進められたので、早いんですね。
ホ:岡田さんは、契約に関する重要なポイントも迅速かつ明確に提示してくださいます。本当にスムーズに仕事をすすめることができています。また、クイーポ様は、この業界で長く仕事をし、実績があることも安心感につながっています。
韓国ではよく「日本は近いけれど遠い国」だと言われています。よく知っているようでいて、互いに理解し切れていない部分があるのですね。でも、今回のように互いが直接話して分かり合うことで、できることはとても広がると思うのです。グローバルな視野を持つクイーポ様とどんどん新しいことをやっていきたいですね。
― クイーポ様ならではの強みについてはどのように感じていらっしゃいますか。
ホ:ネットワークの活用でしょうか。ネットワークは誰でも持つことができますが、活用できなければ意味がありません。つまり、互いによりよいビジネスを展開するには、ネットワークをどれだけ活用できるかが鍵になると思うのです。クイーポ様と知り合ってまだそれほど時間はたっていませんが、短期間の間に、クイーポ様のネットワーク活用力がすばらしいことがよくわかりました。
日本全国でポップアップを展開
― 韓国でJOSEPH AND STACEYブランドを発表して14年。韓国では知らない人がいないほどの知名度を持つブランドですが、今後日本で実現させたいコラボなどはありますか。
ホ:コラボについては常に考えています。いろいろ案はあるのですが、美術館をはじめとしたアートとのコラボに興味を持っています。JOSEPH AND STACEYをファッションとして消化するだけでなく、アートとしても捉えながらコラボができたら、と思っているところです。
― 岡田様は、アートとのコラボに関してはいかがでしょう。
岡田:もちろんアートとのコラボも今後実現すると思いますが、まずはその前に日本国内での知名度をアップさせる必要があります。というのも、JOSEPH AND STACEY様は韓国では有名なブランドですが、日本ではまだまだ知られていません。目標としては、2~3人にひとりはJOSEPH AND STACEY様のバッグのことを知っているレベルまで知名度を上げたいですね。弊社が持つネットワークを最大限に活用して、ラッキープリーツを中心にポップアップを展開し、たくさんの方々にJOSEPH AND STACEY様を知っていただきたいと考えています。
2023年は、12月までのポップアップ開催が確定しています。渋谷宮下パーク、渋谷ShinQs、新宿ルミネ1、福岡パルコ、伊勢丹羽田ストア、ルミネ横浜、六本木・銀座・福岡バーニーズなどで開催しどんどん攻めていきます。2023年度はポップアップ中心の展開で、売上2億円を目標としています。
― 常設ではなくポップアップなのですね。
岡田:常設の場合、目的を持ってわざわざそこに行かなくてはなりませんが、ポップアップならたまたま行った場所で見ていただくことができます。日本全国、若者が集まる場所にポップアップショップを開いてJOSEPH AND STACEY様の商品を見ていただき、知名度をアップさせることがねらいです。そのうえで、常設店の開設や、ECでの発信に力を入れていきたいと思います。
ポップアップショップでは、一部、刺繍サービスも行っています。待ち時間にもよりますが、10~15分お時間をいただくだけで、お買い上げいただいたバッグにその場で刺繍をお入れしてお渡しできます。有料ではありますが、刺繍サービスのニーズは高く、刺繍サービスをプラスすることで、先日のポップアップショップでは、バッグの売上が土日だけで100万円強を記録しました。
ホ:クイーポ様とコラボすることで、あっという間にたくさんのポップアップが決まりました。短期間のうちにこれだけのポップアップが実現するなんて、私たちも本当に嬉しいですし、感謝の気持ちでいっぱいです。
コラボサービスで、最適・スピーディーなマッチングを実現
― 今回、NESTBOWLのコラボサービスをご活用いただき、どのようなご感想をお持ちでしょうか。
ホ:素晴らしいサービスだと思います。ブランドマッチングというのは、ひとつひとつのブランをしっかり見てマッチングしていかなくてはなりませんが、NESTBOWLはそこをしっかりやってくださっていますし、マッチングして終わりではなく、その後のサポートがあることも大きなメリットですね。私が知る限り、韓国にはこのようなサービスはないので、韓国企業にも紹介したいと思っています。
岡田:一番のメリットは手軽さですよね。通常なら新規のコラボ事業をやろうとすると、まずはコラボ先をリストアップして、コネを探してと、非常に時間も労力もかかります。加えて、ネットワークもコネもなければ、相手先の正面玄関からアプローチしなければなりません。けれどもNESTBOWLのサービスを利用すれば、そこの面倒な部分をすぐにやってマッチングしてくれます。すごく便利ですよ。
― ありがとうございます!NESTBOWLもよりよいサービスを提供できるように、引き続きサービスを磨いていきたいと思います。最後に、コラボを成功させるコツについてお二人のお考えをお聞かせいただけますか。
ホ:縁と人でしょうか。世界中の人々、企業のなかから今回のような縁ができたことに感謝しています。そして、ビジネスもブランドも「人」が作り上げていくことを決して忘れず、クイーポ様、そしてつないでくださったNESTBOWLとともに頑張っていきたいと思っています。
岡田:おっしゃる通りです。インポートビジネスの成功のコツは、人と人が互いにリスペクトしながら、本音でコミュニケーションを取ることだと思います。これからもそこを大切にしていきたいですね。
文:伊藤 郁世
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