インバウンド需要と富裕層消費が大復活し、都心の百貨店は特選商品を中心に活況だという。しかし、地方の百貨店の回復は遅れていて、このままコロナ禍前に戻らないかもしれないと言い始めている。都心百貨店のターゲットは世帯年収3000万円になっているという。庶民レベルだと景気回復の実感はないだろう。このあたりの「分断」はますます深まっているのではないか。
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アサヒビールなどを傘下に持つ東証プライム上場のアサヒグループホールディグスが外食産業から撤退するのを7月末に発表した。同社の子会社で老舗料亭の「なだ万」とビール園を展開する「アサヒフードクリエイト」を売却する予定だ。売却先は未定。なおそれぞれの子会社が運営する店舗数は77店舗と34店舗。コロナ禍が去り、売り上げは回復傾向だが、コロナ禍以前には戻らないと判断したもの。
なにげない記事だが、結構ショッキングではないのか。人手不足、高騰する光熱費、原材料費などを考えたら、今のうちに撤退して経営資源を中核の飲料・ビールに集中するのが得策だということなのだろう。優良企業であるアサヒグループですら先行き不安という判断なのだから、それこそ「街の飲食店」などひとたまりもないのではないだろうか。コロナ禍でのゼロゼロ融資(無利子・無担保)の返済が今年4月から始まっている。客が戻ってくると期待したが、「期待ほどではない」という厳しい現実を突きつけられたら、借金を払える今のうちに店を閉めてしまうと考えるのは立派で、図々しい輩は机をひっくり返して自己破産ということになるのだろう。
あるYouTube番組を見ていたら、日本にある会社と名のつく約350万社のうちの10%にあたる40万社ほどは、金を借りられるだけ借りて、毎年をやりすごしているゾンビ企業なのだという。まさか社長と営業マンとオバサンの3人で毎年をなんとかやりすごしている借金だらけの企業が40万社もあるとは思えないが、ゼロゼロ融資の返却が始まり、机をひっくり返していったん死んでまたどっかで新規事業を始めるゾンビがいるんだと言われればそういう闇の世界がありそうな気もしてくる。
日銀は明確な利上げこそしないが、7月末長期金利の上昇幅拡大を容認する金融政策に着手した。実質的利上げだ。すぐに固定型住宅ローンの金利がアップした。庶民にはキツイ決定だ。庶民ばかりか、この金利上昇でかなりのゾンビ企業がまた机をひっくり返しそうだ。景気がいいのに倒産が増えるという不思議に拍車がかかりそうだ。しかし安心してください。ゾンビはまたすぐにどっかで会社を作りますから。
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