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繊研plus22年の国内衣類供給量が発表され、輸入品の割合を示す輸入浸透率も明らかになった。輸入が増え、国産が減り、輸入浸透率は過去最高の98.5%。コロナ下でしばしば耳にするようになった、物作りの〝国内回帰〟。統計上はその傾向が表れていない。
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製造業からは「国内回帰するには、生産基盤があまりにも脆弱(ぜいじゃく)だ」との指摘が多い。コロナ下で需要が減退し、過剰生産が問題視された結果、良くも悪くも発注自体も減らすことになった。国内製造業の生産能力は縮小し、人も減った。紡績会社のある役員は「コロナ禍前とは前提条件が変わった」と強調する。仕事はあっても受けきれない現場が増えている。
一方のアパレルメーカーや小売業。「製造業の事情を知らずに要求してくる」と糸メーカーの社長。表地の生産事情はおおまかに把握しているケースもあるが、糸までさかのぼるとわからないようで、「糸は常に備蓄されているものと思い込んでいる」という。
アパレルメーカー同様に素材メーカーも製品在庫はなるべく持ちたくない。この数年で備蓄量を減らし、キャパシティーも減ったなかで、複数の受注を効率的にこなさなければならない。納期は短期化し、製造業の難易度は上がり、負担は膨らんでいる。発注側の理解、協力なくして国内回帰は進まない。
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