古峯副社長
EC売上高が500億円超と業界屈指のベイクルーズ。コロナ下もさらに伸ばしたが、最近は実店舗への回帰が鮮明で、伸びではECを超える。古峯正佳取締役副社長は、「店舗での買い物体験に価値を見いだす消費者が多いのでは」と見る。一方で、店頭スタッフは接客だけでなく、SNS投稿や出荷業務など、やることが以前より増えた。客に向かう時間を確保するため、「無駄な業務はどんどんやめさせている」と言う。
ADVERTISING
来店客数が増え〝本業〟が忙しくなり、スナップなどの投稿が減っている。となると、なるべく本部が促す不要な業務を減らす必要がある。
例えば、日報や週報、月報の類い。店長が記録する目的で残す場合はあるが、「ほとんど読まれない物だから提出を求めないようにした」。かつては励行していた競合店情報の取得も、意思決定に使われることもないためやめさせた。入荷商品の売れ行きに応じて商品を店間移動させる「在庫調整」と呼ぶ業務も、大型店舗はしなくていいようにした。
新しいサービス導入にも慎重だ。店頭で欠品していてEC在庫にあるものを店で購入し、倉庫から客に配送する「おうち受け取り」は評判が良いが、多くの企業が導入する「クリック&コレクト」には否定的。「販売スタッフの仕事はしっかり接客して買ってもらうこと。(EC決済して店舗で)受け取るだけなのはちょっと違う。これからもしないと思う」。
取り置き(商品予約)機能も、キャンセル率が高く販売機会を失い店の負担になると判断し、休止した。ECと店舗の在庫一元化で、店からの商品出荷が増えたのも頭が痛い問題だ。MD精度の問題に依存するため、需要予測などテクノロジーを活用した解決策を模索する。OMO(オンラインとオフラインの融合)推進の裏側で実店舗の業務改善を急ぐ。
ADVERTISING
PAST ARTICLES
【繊研plus】の過去記事
RANKING TOP 10
アクセスランキング
イケアが四国エリアに初出店 香川県にポップアップストアをオープン