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繊研plusコロナ下で国産回帰の流れが強まり、国内の縫製工場はどこもいっぱいで中小ブランドにしわ寄せが来ている。納期遅れのために卸先の専門店に迷惑をかけるなど深刻な問題もあり、展示会を1カ月以上前倒しにするブランドも目立つ。
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しかし、フル稼働する国内の縫製工場がすごくもうかっているわけでもない。多少上がってきたものの、もともと相当低い工賃と慢性的な人手不足から抜け出せない工場がほとんどだ。このままでは、ファッション業界に夢を持って飛び込もうという若いクリエイターを支える生産現場も消滅しかねない。
オリジナルの2ブランドを運営するミノオ・ラボ(大阪府箕面市)は、昨年秋に自社縫製工場を立ち上げた。小ロットの服を作ってくれる工場が激減したこともあるが、それ以上に「自社ブランドの差別化のために物作りにまで踏み込んだ」と西川隼人代表。「自社工場の方が、生産量や納期などに柔軟に対応でき、品質へのこだわりも追求できる」と強調する。
今後、縫製工場を自社で運営する中小ブランドが増えるかもしれない。その際、既存の工場がこれまで培ってきた服作りのノウハウや高い技術を身に着けた人材を活用できないだろうか。新旧工場の連携で技術を継承し、若い世代が魅力を感じられるような、新たな物作りの場を構築してほしい。
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