オンワードホールディングス子会社のオンワードデジタルラボは、運営するグルメ通販サイト「オンワード・マルシェ」が消費者から支持されており、今後はオリジナル商品も展開していく。
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同サイトは、ファッションの世界で新しいライフスタイルを提案し続けてきたオンワードが2016年11月にオープンした上質で高感度なグルメ通販サイトだ。
オンワードメンバーズ会員に対し、服を購入して貯まったポイントを食のアイテムにも利用してもらうことで、ポイントプログラムの価値を高められると判断してグルメECを事業化。”美味しい!をコーディネート”をコンセプトに、毎日の生活に彩りと潤いを与えるマルシェ(市場)として展開している。
オンワードのバイヤーが日本各地の生産者と話をし、味わって選りすぐった逸品を、各生産者が直接発送する産直方式で展開している。
また、他社のグルメECモールでは出店者自身が商品ページを作ることが多いが、「オンワード・マルシェ」の場合、商品紹介ページのほぼすべてを、実際に商品を味わったバイヤーの主観で制作。商品の撮影も約8割を自社スタジオで行っている。
オンワードメンバーズ会員はグループの実店舗顧客からスタートしているため、「オンワード・マルシェ」の利用者についても百貨店でよく買い物をするような層が多く、平均客単価も6000円強と他のグルメECよりも高いという。
サイト開設以降、順調に売り上げを伸ばし、19年にはおせちの取り扱いを始めたことが売り上げ拡大に貢献。その後はコロナ禍の巣ごもり需要をとらえた。
同社では、コロナ前までに取引先500~600社、約3000品目を展開するなど、一通りのカテゴリーをそろえていたことで、巣ごもり需要にも素早く応えられる状況にあった。品ぞろえは顧客ニーズに沿って入れ替えを行い、現状の取引先数、品番数ともにコロナ前と同水準を維持している。
同社によると、コロナ前は自宅用、プレゼント用ともにスイーツカテゴリーが強かったが、コロナ禍以降、レンジなどを使って簡単に食べられる、おかず・惣菜類が大きく伸び、主力であるスイーツの売り上げを抜いた。現状、おかず・惣菜類とスイーツカテゴリーで売り上げの7割弱を占めている。
また、「美味しい!をコーディネート」のコンセプトに沿ってキッチンまわりの雑貨を600品番程度まで増やしたこともあり、当該領域も伸長。コーヒーメーカーや電気ケトルなどのキッチン家電が人気だ。
今後はオリジナル商品を強化する。これまでも「オンワード・マルシェ」限定の詰め合せ商品などを展開して売れ筋にもなっているが、商品パッケージを含めてOEMでオリジナル商品を展開する計画で、秋口をメドにレトルトカレーやパスタソースのほか、クラフトビールなどを展開していく。
現状、レトルト食品の取り扱いは少ないが、顧客ニーズを感じており、オリジナルアイテムを開発してヒット商品に育成する。
「オンワード・マルシェ」は商品単価の高いアイテムが多いため、日常的に利用でき、リピートしやすい価格帯の商品をオリジナル品として展開することで、エントリー商材としての役割も担い、売り上げランキングのトップ10にオリジナル商品が常に登場するような状況を目指す。
新規顧客の開拓を強化
一方、新客獲得に向けては、住所を知らない相手にもメールやLINEなどを使って気軽にギフトが贈れるeギフトを昨年3月末にスタートした。
eギフト市場はこの2~3年で急成長している。「オンワード・マルシェ」はギフト目的の購入が約半分を占めることから、当該市場を開拓したい意向だ。
「オンワード・マルシェ」の取り扱い商品は、ギフトとしては高めの価格帯だが、その分、競合が少なく差別化できると見ている。現状、予約商品以外はほぼeギフトとして購入できるようにしており、とくに30~40代の開拓につなげる。
現状、eギフトの売り上げは目標には達していないものの、キャンペーンなどでの露出を増やしたり、対象商品を増やしたりして継続的に強化する。
加えて、「オンワード・マルシェ」のユーチューブチャンネルを開設し、静止画だけでは伝わりづらい部分を補って発信力を高めるとともに、幅広い年齢層にリーチできるようにする。
また、コロナ禍もあって、企業がこれまでは社内のレクリエーションなどに使っていた予算を従業員向けのギフトカタログなどに置き換えているケースがあることから、ギフトカタログを改修し、箱型カタログのデザインをリニューアルするとともに、カード型も展開してウェブ上で簡単に商品を選べるようにし、法人需要の取り込みを拡大する。
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