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ラフやエイサップがお忍びで来店、海外のクリエイターが「PAT MARKET」に惹かれる理由

(左)エイサップ・ロッキー、(右)ラフ・シモンズ

Image by: PAT MARKET

(左)エイサップ・ロッキー、(右)ラフ・シモンズ

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ラフやエイサップがお忍びで来店、海外のクリエイターが「PAT MARKET」に惹かれる理由

(左)エイサップ・ロッキー、(右)ラフ・シモンズ

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 「今までに見たお店で一番だ」。ニューヨークを拠点に活動するスタイリストのブラッディ・オシリス(Bloody Osiris)はそう評価した。

 人がすれ違うと肩がぶつかってしまう程の細い通り。事前に調べていなければ通ることもないであろう原宿の路地裏に、ラフ・シモンズ(Raf Simons)や、「アクネ ストゥディオズ(Acne Studios)」のクリエイティブディレクター ジョニー・ヨハンソン(Jonny Johansson)、エイサップ・ロッキー(A$AP Rocky)らがお忍びで足を運ぶ。彼らの目的地は、2000年前後の古着を中心に扱うショップ「パットマーケット(PAT MARKET)」。開店から僅か1年半、平均年齢24歳の5人がメインで運営している同ショップに海外のクリエイターが惹かれる理由を探る。

Image by: FASHIONSNAP

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 パットマーケットは、“とんちゃん通り”と“キャットストリート”の間の神宮前3丁目に位置し、細い路地を進むことで辿り着くことができる。2階建ての一軒家を改装した店舗で、元々は古着屋サントニブンノイチ系列店の「ニブンノイチ」が営業していたが、ニブンノイチが大阪へ移転したことをきっかけに新店舗としてコロナ禍の2022年1月にオープンした。サントニブンノイチ代表のロザッチが、「若い人がお店を始めるのが難しい時代なので、挑戦できるきっかけを作りたい」という思いから、ニブンノイチのスタッフとして働いていた宮内悠斗をはじめ、栗本迅、はやしん、小林輝、関根勇斗の平均年齢24歳の5人を集め、6人が共同オーナーとなり運営。メインの運営を他の5人に託し、ロザッチは一歩引いた相談役のような立ち位置で同店に関わっている。

 共同オーナーの一人 宮内悠斗は、海外のクリエイターから注目される理由の一つに、「隠れ家のような雰囲気があること」を挙げる。原宿や渋谷を中心に東京のファッション情報を発信する「Tokyo Fashion」は、ロッキーが来店したことを機にTwitterで同ショップについて言及。「パットマーケットはコロナによるロックダウン後の原宿で、一昔前のドッグ(DOG)のようにセレブが必ず訪れるショップとなった。江戸時代の風景のような狭い路地を通り、見つけにくいというクールさがある」と投稿している。

 簡単には辿り着けない特別感に加え、商業施設や大規模なショップと違い、閉鎖的な空間に近いことから、人目を気にせずゆっくりと買い物を楽しむことができるのも魅力の一つだと考えられる。現にロッキーは、同店で時間をかけ、多くの服を試着していたという。

 また、宮内は「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」のアートディレクター アヴァ・ニルイ(Ava Nirui)による影響が大きいと分析する。ニルイは約1年前に、同店に来店。SNSでシェアしたことをはじめ、ニルイによる紹介から多くのクリエイターが来店するようになったそうだ。「シュプリーム(Supreme)」のチームやスケーター、ラッパーのリル・テッカ(Lil Tecca)、海外のバイヤー、メディア関係者など人が人を呼び、インバウンドが戻りつつある現在では来店客の6割が訪日外国人だという。同店をメインで営む5人は店頭に立ち接客もするが、買い付けなどそれぞれが強みとする役割が与えられており、リレーション強化もオープン時から力を入れていた。その影響から彼らはアテンダーやブランドのPRなどとも親交があり、紹介を通じて集客に大きく貢献。「人通りが少ない路地裏」というショップ経営では一見マイナスに見えるポイントも、複数人オーナーによる利点を活かし、知る人ぞ知るという特別感に変えた。

 複数人オーナーによる特色は、店舗のレイアウトからも感じられる。5人の趣味嗜好を尊重するため、パットマーケットは複合的なコレクティブショップという形式を取っており、店内はインポート古着を中心に扱うオンリーワン(Only One)、2000年前後の裏原アイテムが揃うコリーダ(Corrida)、デザイナーズアーカイヴが並ぶクラクラ(966)の3つのエリアで構成。エリア毎にそれぞれの世界観を表現していることから、「ラフ・シモンズ(RAF SIMONS)」や「コム デ ギャルソン(COMME des GARÇONS)」「ジェレミー スコット(Jeremy Scott)」といったブランドのアーカイヴアイテムと、2000年前後の「バウンティハンター(BOUNTYHUNTER)」「スワッガー(SWAGGER)」「ドゥアラット(DOARAT)」などのアイテムが一つのショップ内に並ぶ。様々なカルチャーが混ざり合う様子は、異なるジャンルのアイテムを組み合わせる東京のストリートスタイルを体現しており、“日本らしさ”が感じられる点も海外のクリエイターたちから支持されている理由の一つとなっている。

アンダーカバーのアイテム

Image by: FASHIONSNAP

 軌道に乗るパットマーケットは、売場面積拡大のため7月1日に系列店を池袋にオープン予定。池袋への出店は、宮内が学生時代を過ごした場所であることに加え、“ファッションの街”として完成された原宿ではなく、「新たな環境でカルチャーを築いていくことに挑戦したい」といった思いからだと話す。集客についてはパットマーケットの基盤を活かして誘導を促すほか、美容師など知人のクリエイターにも声をかけ、共に池袋エリアを盛り上げていくことを構想しているという。

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