市内や近隣から20、30代のオーナーが集まった
JR松本駅前で不定期開催している古着イベント「ユーズドクロージングマーケット」。長野県の古着屋5店舗が共同で運営し、今年4月に6回目を開催した。20、30代の若手オーナーは、「長野に古着ブームが戻ってきている」と意気込む。コロナ下で春服が売れなかったのをきっかけに21年春から始めたが、「今はイベントを楽しみにしてくれる人がいるのでこれからも続けたい」と話す。
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店混在で見せ発見を
参加するレディス古着店「ファーンス」はオープンから7年目。古着と韓国の新品を合わせたラブリーな着こなしを提案している。「今まで松本市になかった系統の店を出したかった」とオーナーの鹿川彩佳さん。他に、手頃な価格の古着を揃え、20代の男性が通う「BRIC」(ブリック)、ショップ・イン・ショップで実績を重ねた後、22年に実店舗をオープンしたユニセックス古着の「Dokka」(ドッカ)も参加した。
市外からは、アメリカとヨーロッパの古着やビンテージを扱う長野市の「COMMA」(コンマ)と、駒ヶ根市でアメリカンカジュアルやヨーロッパのビンテージと新品を扱う「LINK」(リンク)が参加した。
メインの客層やテイストは全く違うが、会場ではあえて商品をバラバラに陳列している。各店の顧客が訪れた際、普段見ない商品や着こなしを知るきっかけになり、松本市の古着コミュニティーの拡大につなげたいという考えだ。
ファーンスは「今まで男性客がほとんどいなかったが、イベントをきっかけにメンズアイテムも売れるようになった」という。ブリックは地元コミュニティー拡大の取り組みとして、コーヒーショップやライフスタイル店など、異業種の個店との協業やイベントにも取り組んでいる。
客育て後進に刺激も
「約15年前、長野市から古着屋が消えた時期もあった。あの頃のようにならないよう、顧客を育てたい」と語るのはコンマ店主の駒込憲秀さん。参加する店の中では最も大人向けで、価格帯も数千円ほど高い。最近は長く通ってくれている顧客に応えるため、ビンテージの比率を増やしている。幅広い品揃えをイベントで見せている。
リンク店主の小林侑司さんは地元の駒ヶ根市で、「古着になじみのない方にも愛されるオールマイティーな店」を目指している。イベント参加の狙いは「最近の古着ブームで、自分たちよりも若い20代前半の人も古着屋を始めている。彼らにとっての刺激にもなれば」と考えている。
コロナ禍で売り上げが厳しい時もあったが、仲間内で企画したイベントで盛り上げ、「これからの松本市のファッションを引っ張っていきたい」と口を揃える。
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