板橋第三中学校での本教材を活用したプレ授業風景
資生堂は、「無意識の偏見」について考えることをテーマにした中学生向けの無料教材を開発し、3月から全国の希望する中学校教員への告知を開始した。
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本教材は「誰もが自分らしく美しくいられる世界へ」と題し、「無意識の偏見や思い込み」が自分や誰かの自分らしさの実現を阻害していることを知り、「ありたい自分」でいるためにどう向き合ったらいいか主体的に考え、話し合うことを目指したプログラムになっている。
資生堂は、SDGs(持続可能な開発目標)に取り組む独自のグローバルプロジェクト「Sustainable Beauty Actions」の一環として、2022年9月から「SEE, SAY, DO.」プロジェクトを展開している。このプロジェクトは、「自分らしい美しさを制限する無意識の思い込みや偏見」を「UBB(Unconscious Beauty Bias)」と名付け、UBBを知り(SEE)、議論し(SAY)、アクションを起こす(DO)という一連の取り組みを推進するものだ。現在「SEE, SAY, DO.」プロジェクトの公式サイトでは、UBBが日常の中で引き起こす問題を180個以上にも及んで紹介し、容姿、ファッション、人種、ジェンダー、年齢などに対する無意識の偏見について認識させるコンテンツや、様々なバックグラウンドの資生堂社員や世界中のプログラム参加者が、自分のUBBに関する経験や意見を語るコンテンツを公開している。
今回の無料教材の開発も、「SEE, SAY, DO.」プロジェクトの一環としてスタートした。50分の授業時間を前半と後半に分け、「無意識の偏見や思い込み」に「気づく」・「考える」の2パートによって構成されている。本授業のために聴取した全国の中高生600名の実体験をもとに、グループディスカッションなどを通して、自分や他者の行動を「無意識の偏見や思い込み」が阻害していることを知り、それぞれが自分らしく生きるための他者との向き合い方を考える。
本教材は、全国の教師が教材や資料の情報を共有したり、意見交換をすることができる「SENSEIノート」を開発運営するARROWS Inc.とともに開発された。同社が展開するプラットフォームを通じて、全国4万人以上の教師に向けて教材提供の告知を開始し、4月10日時点ですでに、約90人の教師から約7,600人の中学生を対象とする授業実施の申し込みがあった。
「美しさ」を扱うビューティーブランドの資生堂が、本教材のような、「美しさ」の多様性を認める取り組みを行うことの意味は深い。容姿やジェンダーなどについての意識が高まり、自分にも他人にも多感な時期である中学生たちがこの授業を受けることは、よりインクルーシブな未来の一端を担うこととなるか、注目したい。
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