今年で創業350周年を迎える三越が、夏のギフトシーズンを前に「三越創業350周年記念企画お披露目会」を開催した。呉服店「越後屋」を起源とする三越は、日本橋本店で浴衣や甚平、手ぬぐいで限定デザインを展開。お中元やギフト需要に向けては、三越が百貨店初出店となり、長年にわたり店舗を構えるブランドとの限定商品を揃えている。
日本橋本店本館4階の呉服フロアでは「ゆかたでアソボ」をテーマに、日常生活で楽しめる浴衣を提案。昭和2年に作られた三越劇場の天井ステンドグラスの柄をあしらった婦人浴衣地「ステンドグラス」(2色展開、3万8500円)や、「三(みつ)」「五(こ)」「四(し)」になぞらえてデザインされた3本・5本・4本の「三越縞」に加え、アンモナイトや番傘、ライオン像といったモチーフを市松模様で落とし込んだ紳士浴衣地「市松に隠れライオン」(2色展開、3万8500円)、越後屋の番傘貸しに着想を得た「石畳と番傘」(子ども甚平 5500円〜、婦人浴衣地 3万8500円)を販売している。
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手ぬぐいでは、森口邦彦の作品が用いられた現在のショッピングバッグの柄を手ぬぐい用にアレンジした「実り」(2750円)、三越のラッキーナンバーと2013年まで使われていたショッピングバッグ3色を用いた「七五三縞」(1760円)、三越のシンボルを詰め込んだ「三越由縁」(1760円)の3柄を用意。「三越由縁」は好評で完売状態だといい、4月25日ごろに再販を予定している。
「三越由縁」
昨夏は新型コロナウイルスの感染拡大の影響が残っていたが、今年は隅田川花火大会が4年ぶりに開催が予定されるなど、コロナからの完全復活が期待される。百貨店業界では呉服売場縮小の動きがあるが、日本橋本店の呉服売り場の担当者は「日本橋本店では縮小せず、若い方が浴衣を楽しむ傾向もある中、幅広い方に提案していきたい」と話した。
お中元用には、「森八」の上生菓子を細工できる「和菓子作り体験セット」(3240円)や、「風流堂」の12種のお菓子を自分で詰め合わせる「和菓子のおべんとう」(4320円)、「越乃雪本舗大和屋」の銘菓をならべて海の景色をつくることができる「海の音」(4995円)といった体験型の商品を提供。また、創業350周年記念缶に詰めた「ダロワイヨ(DALLOYAU)」の「マカロンラスク&ガトーアソート」(3780円)や「ゴディバ(GODIVA)」の「ドーム バームクーヘン」(4860円)、ライオン像をモチーフにした「兵左衛門」の「夫婦箸」(6600円)や「アリタポーセリンラボ(ARITA PORCELAIN LAB)」の「フリーカップセット」(5500円)、「七福タオル」の「フェイスタオルセット」(3300円)などの周年記念商品を豊富にラインナップする。このほか、「日本料理なだ万」の「3種の小丼セット」(5994円)や、「鈴波」の「手切りの技を用いた「魚介みりん粕漬詰合せ」(5400円)、「白謙蒲鉾店」の「笹かまぼこ 献夢」(5400円)といった名店の商品が揃う。
森八 和菓子作り体験セット
Image by: 三越
これに加えて、日本橋本店では店頭で「赤坂柿山」や「王様堂本店」「彩果の宝石」「泉屋」といったブランドで同店の外観デザインを模したオリジナルパッケージを発売。一部商品は販売から2日間で完売するなど、周年の滑り出しは好調だ。欠品した商品は4月26日からスタートする「大創業祭」に併せて追加販売する。
商品だけではなく、包装紙「華ひらく」でも周年を体現している。25日まで開いている「ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)」のポップアップストアでは、「華ひらく」をアレンジした限定商品をラインナップ。6月からは「華ひらく」を媒介に三越が店舗を構える地域の小学生と包装紙をつくる教育プログラム「共創包装紙 教育プログラム」を発足し、最終的には店舗で使用するという。
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