深澤氏
東京ダイヤモンドエクスチェンジ(TDE)は、日本宝飾品貿易協会代表理事で『ジャパンプレシャス』代表理事の深澤裕氏を招き、会員向けに講演会を開いた。TDEは世界ダイヤモンド取引所連盟(WFDB)に加盟する日本で唯一のダイヤモンド取引組織で、ダイヤモンド取引業者が会員となっている。
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講演では、深澤氏が「今年のダイヤモンドマーケットの動向」についてレクチャーした。昨年、NFT(非代替性トークン)の世界に進出した「ティファニー」や、メタバース(インターネット上の仮想空間)アプリ「ゼペット」内に出店した「ブルガリ」といったデジタルの動きに触れたほか、商形態もBtoB(企業間取引)だけなく、BtoC(企業対消費者取引)、CtoC(消費者間取引)、CtoB(消費者対企業取引)と広がっている点を指摘。また、SDGs(持続可能な開発目標)への取り組みと関連して、ダイヤモンドのトレーサビリティー(履歴管理)の重要性を説き、サリネテクノロジーなどから、その背景を視覚的に分かりやすく伝達するソリューションが増えているとした。
日本でも広がりつつある合成ダイヤモンドについては、価格低下が進み、今後天然ダイヤモンドとのすみ分けがしやすくなるのではと想定した。
22年に、14年ぶりに日本の宝飾小売市場が1兆円を超えた背景については、ラグジュアリーの好調、素材の高騰を受けての小売価格の上昇、富裕層市場の活況などがあるとした。今年はインバウンド(訪日外国人)の急増が見込まれるとする。ただし、ダイヤモンド輸入量がラグジュアリーの伸長と反比例し減少していることからも「日本の物作りが減っている現状がある」とし、今後、ボリュームの市場を伸ばす施策が必要と述べた。海外展示会ではアフリカ、中東の動きが活発としたほか、3月に3年ぶりに開催された香港インターナショナル・ジュエリー・ショーがかつてないにぎわいを見せていたと報告。今後も重要な拠点になるとした。
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