ユナイテッドアローズによるEC主軸のブランド「シテン(CITEN)」が、初の常設店舗をららぽーと立川立飛に出店した。これまではオンラインとポップアップを中心に展開してきたが、「商品を実際に手に取り試着したい」という声が多数届いたことから常設店舗の戦略に着手。軌道に乗っているシテンを実店舗を含む3つの柱でさらに成長スピードを加速させていく。
シテンは2021年秋冬シーズンにデビュー。同社の主力ブランドの一つ「ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング(UNITED ARROWS green label relaxing)」の7〜8掛けの価格帯で「日常を豊かにするためのカジュアルウェア」を提案している。メンズではヴィンテージアイテムを現代に合わせてアップデートしたデザインを、ウィメンズではトレンドを取り入れたデザインを主に展開。メンズの8割はユニセックスで着られる仕様となっている。
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ブランド単体の年商は非公開だが、デビューから2期連続で計画値を上回るなど好調に推移。品番数はデビュー時から2倍に増えた。バッグやPCケースなどブランドロゴをあしらった雑貨アイテムが人気で、主な顧客層は20代だが、雑貨アイテムを強化したことで30〜40代も増えているという。
ららぽーと立川立飛の2階にオープンした常設店舗では、右手側にウィメンズ、左手側にメンズ向けのアパレルを集積し、奥にはロゴアイテムやシューズを揃えている。展開アイテムのうち97%はオリジナル商品だが、「ヴァンズ(VANS)」「クラークス(Clarks)」といったメンズのスタイリングに合わせてセレクトしたシューズを一部取り扱う。
Image by: FASHIONSNAP
店頭入口に配置したコンテンツテーブルでは、アーティストとのコラボレーションプロジェクト「CITEN MEETS」のコーナーを展開。第1弾としてイラストレーターのCONVENIENCE YOUNGを起用し、トートバッグとリンガーTシャツを販売している。また、「モノだけではなく体験を作りたい」(シテン課長の神永和洋氏)という考えのもと、ワッペンを使ったオリジナルバッグが作れるワークショップも4月2日まで実施。対象バッグとワッペンの購入者を対象に提供している。
CITEN MEETS
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「高感度」と「高効率」の両立を目指し、常設店舗ではセミセルフの接客方式を採用。ロゴアイテムの売り場では全サイズ・全色を並べるなど効率化を図った。同社の従来店舗と比較してマネキンの数は少ないが、代わりとしてタッチポイントとして機能しているというシーズンルックを店内に掲出している。ららぽーと立川立飛の顧客層を鑑み、ベビーカーを使用する来店客が気持ちよく買い物ができるよう、通路や試着室を広くとった。
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4月にはららぽーと湘南平塚、ららぽーと海老名にも常設店舗を出店する。「生活圏に近い場所で顧客に寄り添いたい」という考えから郊外立地を選んだという。5月以降も出店を計画しており、将来的には都市部への出店も視野に入れる。
シテンを立ち上げた当初、EC主軸ブランドの運営ノウハウがなかったが、この1年半でインフルエンサーを起用した施策やポップアップでの取り組みなどを通じて知見が貯まり、他の既存事業にも活かせているという。神永氏は、好調に推移する同事業について「グリーンレーベル リラクシングに次ぐ収益の柱にしたい」を意欲を示した。
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