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高級時計マーケットプレイス「Chrono24」に聞く日本市場の現状、執行役にインタビュー

高級時計マーケットプレイス「Chrono24」に聞く日本市場の現状、執行役にインタビュー

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高級時計が好きな方であれば一度は目にしたことがある「Chrono24」。100カ国以上から3,000以上の販売事業者、並びに3万人以上の個人販売者により、新品からアンティークまで網羅したおよそ50万点の高級時計が出品されているドイツ発世界最大級の高級時計専門マーケットプレイスだ。これまでドイツ本社のカールスルーエ、ベルリン、ニューヨーク、マイアミ、香港を拠点とし展開してきたが、世界的に見て3番目に大きな高級時計市場である日本でさらに事業拡大をするため、2022年7月に日本法人が設立された。今回はその日本法人を率いるアジア太平洋地域代表兼日本法人代表執行役の真木氏に、これまでのキャリアや「Chrono24」の魅力、日本マーケットへの本格進出について語ってもらった。

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真木 可奈さん/Chrono24 Japan 合同会社/アジア太平洋地域代表 兼 日本法人代表執行役
学生時代にジュエリーや時計の修理等を扱う店舗でのアルバイトを通し、さまざまな時計や職人と出会い時計の世界に引き込まれる。大学卒業後、日系や外資系企業にて海外営業やマーケティング業務に携わり、2012年に渡豪。グローバルに展開するテクノロジー企業のアジア太平洋本部にて、主に日本市場での事業拡大に従事。独立を経て、2021年より現職に着任。

好きなことを深く知るために、時間を忘れてのめりこむ

― 真木さんはもともと時計がお好きだったのでしょうか?

昔からアクセサリーや時計、宝飾関係が好きだったんです。学生時代はジュエリーと時計を売っているお店でアルバイトをしていて、それが高級時計との出会いだったと思います。特にこのお店はジュエリーのリメイクや時計の修理も行っていました。そのため職人さんのところに商品を持って行く機会があって、実際に職人さんと会って技術的な部分に触れることができたんです。アルバイトで時計とジュエリーの奥深い部分を知ることができたのは、とてもラッキーだったなと思います。

― 学生時代は英語が好きで留学していらしたそうですね。

高校ではオーストラリアに留学し、大学でも英語を専攻しました。英語が話せるようになったので、卒業して最初に就職した企業では、海外営業の仕事をしていたんです。

― 海外営業として働かれていたのですね!

その会社では、初の女性営業でした。最初は事務的なことを行っていたのですが、勤務時間後に、技術部や営業部などの先輩に「何をしているんですか?」と自ら聞いて勉強するうちに、上司から「こういうことが好きなの?」と言われて。「私はもっとお客様とお話したいんです」と要望したところ「今後、オーストラリアに行く時に、ついてきたら?」と言ってもらえたんです。オーストラリアとアメリカ担当になり、展示会や顧客訪問に同行させてもらいました。

私は好きなことをとことん追いかけていく性格だと思います。自分が興味のあることに関しては「これはどうなっているのか?どういう仕組みなのか?」と調べていって、時間を忘れてしまうタイプです(笑)。

― 2社目はイギリス系のソフトウェアベンダーに転職し、その後、海外に移住されたそうですね。

どこに住むのか、それまでまったく考えたことがなかったんです。でもオーストラリア人のパートナーと結婚したことによって将来を考えた時に、今まで海外で仕事をしたことがないと思い、移住という決断に至りました。

オーストラリアではドイツ系ソフトウェア企業に就職し、日本、さらにアジア全般の法人営業を担当しました。2年目からチームリーダーになって、アジア全般の営業チームを見ることになり、その時にコーチングというスキル、さらに現在私が働いているChrono24代表の一人であるホルガーと出会いました。

ホルガーは当時そのドイツ系ソフトウエア企業の社長で、オーストラリアにも来ていて。この時一緒に仕事をする機会があって「日本の市場を成長させるためには、こういうことをしたらどうですか?」「日本のお客様はこういうものを欲しがっていますよ」など、いろいろ提案しました。

その後、私は独立して営業支援のコンサルタントをやっていたのですが、数年後、Chrono24の社長になっていたホルガーから、「日本国内の事業をもっと拡大していきたいので手伝ってくれないか」と依頼されて。最初はコンサルタントとして、営業チームのコーチングや成長支援を行うことになりました。

そこから日本国内事業はセラー(時計販売事業者)の数も増えていき、2021年11月頃に「一緒にやらないか?」と声がかかって。ただその時はアジアの拠点が香港にしかなく、オーストラリアから香港に引っ越すのは大きな決断だったんです。でも新しいことをするのが好きだったことと、日本国内に日本法人を置くこともすでに予定していたので、「それなら行きます!」と香港に移住することを決めました。それから2022年7月に日本国内に法人を立ち上げて、今に至ります。

これまでのさまざまな出会いが今のキャリアを作っていると語る。

「日本国内の時計販売店を支える役割も担いたい」Chrono24日本進出のねらい

― 2022年7月に日本法人を設立しましたが、現在の日本市場におけるビジネス状況と今後の展開について教えていただけますか?

ありがたいことに国内のユーザー数はどんどん増えており、日本のサイト訪問者数は月間約60万人となりました。

コロナも落ち着いてきて、店舗に行く機会も増えてくるでしょう。ただ、一度慣れたオンラインでの購入体験は、今後もその魅力を失わないと思います。さらに弊社の場合、どこにも負けないぐらいの品数と豊富な販売データがあるので、今後もオンラインのユーザー数は伸びていくと考えています。

これからはオンラインでは満たされない購入体験をどう提供していくかが課題で、私たちはそこに注力していきます。時計を購入する際って、もっとその時計について詳しく知ってから購入したいと思うんです。そういった体験をオンラインでも提供するため、「プライベートクライアントアドバイザー」という顧客の購入をサポートする役割を日本でも展開していく予定です。

あとは販売事業者に関しても、ものすごい勢いで増えています。今は170社ほどの販売事業者に販売していただいていますが、流通総額は2020年と2022年を比べると354%の伸びとなっています。

私たちは日本国内にある良い商品を海外で販売することによって、日本国内の時計販売店を支援し、事業を拡大していくお手伝いをしていきたいと思っています。それと同時に日本国内にある良い商品は海外で非常に重宝されているので、ニーズも高いと考えています。

― 伸びている要因はどのように分析されていますか?

やはりセラー(販売事業者)の数が増えたことだと思います。大型の販売事業者の方も参加していただけるようになったので、全体的に数が増えています。日本国内からの商品は質が良いものばかりです。傷が少なかったり、丁寧に扱われていたり、海外にはない日本限定版があったりします。それから円安の影響で、アメリカやその他の国に比べて、日本から出てくる商品は割安感が出ています。そういった意味でも、販売数が非常に伸びるとともに販売額の上昇につながっているのではないか、と捉えています。

弊社のユニークなところは、購入した後、もしも気に入らなかったり、つけてみて違った、もしくは傷があったなど何かあった場合は、14日間は返品を受付ているんです(個人販売者から購入した場合は要相談)。だからオンラインで購入しても、安心感がある点も伸びている要因の一つかと思います。それから東京だと時計販売店はたくんさんありますが、地方はそれほど多くないので、オンラインで買ってみるという、コロナ禍のオンラインへのシフトが、時計業界でも同様に出ていると思います。

― 一般的に高額な時計をオンラインで購入することはハードルが高いと思うのですが、いかがでしょうか?

やはり高額商品なので、心配に思うのは自然なことです。そういった不安を少しでも解消できるよう、14日間の返品返金保証サービスをご提供しています。また、販売事業者とコミュニケーションが取れるメッセージ機能を設け、気になるところについて直接問い合わせをしたり、追加の写真を依頼できるようにしています。こういったサービスを通して、お客様の時計購入に関する不安が払拭できるよう、今後も努めていきたいと思っています。

― テクノロジーという観点でも、御社サービス内にはさまざまな仕組みが施されているのでしょうか?

やはり本物を買っていただくのは、とても大事なことなので、販売者には「出品する商品は、必ず本物であることをチェックしてください」とお願いしています。またAIを使った画像処理テクノロジーで時計の文字盤の画像などをすべてスクリーニングし、怪しい商品については社内の専門チームが確認するシステムを採用しています。一般公開の前に販売者に対して改めて確認して、偽物商品が出品されないようにしているんです。

Chrono24の創業メンバーはヨーロッパの価格比較サービスを作った人たちなのですが、次に何をするかという話になった時に共通していたのが、テクノロジーと時計だったそうです。“時計で何かできないか”というところから始まったのが、Chrono24だった。だから時計に対して会社としての思いは、非常に強いです。あと、世界最大級と謳っていますが、掲載している商品の量も多くて50万点以上あります。そのため毎日売買される商品の価格データを持っていることも、弊社の強みです。業界調査の時にはリサーチ会社からもデータ提供をお願いされたりすることがあるほどです。データは販売事業者にも公開しております。それから、高級時計は資産性もあるため、投資対象として購入されている方も多くいらっしゃいます。Chrono24では、今、自分が持っている時計の価値はどれぐらいなのかを確認できるのも面白い部分で、なかなか他では提供してないサービスではないかと思います。

2022年7月に満を持して「Chrono24 Japan」が設立された。日本マーケット向けのサービスも準備している。

各メンバーが活きるチームを作るのがリーダーの使命

― 真木さんの現在の役割を教えてください。

日本マーケットの責任者なので、事業自体を拡大すること、事業を一緒に拡大していくチームを作っていくことがミッションとなります。チーム作りについては、今までオーストラリアで学んだコーチングを生かして、個々のメンバーの強みを活かしながら行っています。

― 真木さんが組織作りのうえで大事にされていることは何でしょうか?

私が一つ大事にしているのは、それぞれの能力をいかに伸ばせるか。それはリーダーとしてのミッションだと思っています。もちろん同じゴールに向かってみんなで動いていかなければならないのですが、全員同じ考えではなく、それぞれユニークなところがあります。だから各メンバーが活きるチームを作る。チームのそれぞれのアクションが結果につながっていくと、働いている人たちも楽しいし、会社としても成長していくという、Win-Winの関係になると思います。

また、特に日本法人は新しい組織なので、仕事を進めるうえで本社の企業文化を理解しつつも、日本オフィスとして本社やローカル市場へどういったアプローチをしていくのが最適か、枠にとらわれない考え方をしていかなくてはいけません。でもチャレンジングだからこそ、面白いと思ってもらえる、加えて個人の成長にもつながっていく環境を提供することができたらと思います。こういった人の可能性を大事にすることと、成長機会を提供することは、創業者の信念であり、このChrono24という会社自体が大事にしていることでもあります。

さらに弊社ではトレーニングも大事にしています。私たちは高級時計のマーケットプレイスなので、時計に関するさまざまなトレーニングコースをオンラインで提供しています。またユーザー(購入者)と直接やり取りするプライベートクライアントアドバイザーというポジションの人たちは、全員スイスのFHH(Fondation de la Haute Horlogerie、高級時計財団)が認定する資格を取る必要があり、専用のトレーニングコースも提供しています。会社として、社員の能力開発には力を入れていると思います。

「私たちはもっと早く失敗しなくてはいけない」その言葉の真意とは?

― 外資系企業の場合、本国の承認を得ないとプロジェクトを進めることができないケースがありますが、御社はいかがでしょうか?

日本チームのみで進められることもあれば、本国の承認が必要なこともあり、半々くらいだと思います。先日、本社代表と話した際に「私たちはもっと早く失敗しなくてはいけない」と言われました。ということは、「もっと挑戦をする必要がある」ということだと思うんです。この前向きな考えは、トップの考えであり、会社としての考えでもあります。ただ実際のオペレーションにどう落とし込んで行くのか、組織の中でまだ改善すべきところがあります。でも日本のマーケットに関しては、1年目に戦略を作って「これで行きたい」という要望に対して意外とすぐGoを出してもらえたんです。だから挑戦することに対して自由を与えてもらえる会社である、と思いました。

―「失敗は大事」という考え方は、非常に興味深いですね。その一方、たとえ失敗しても、最小限にとどめられるような仕組み作りも大事だと思いますが、どんなことに取り組んでいますか?

プロジェクトの組み方として、A/Bテストをひんぱんに行い、プロジェクトのオーナーになった人がテスト結果を全社に共有するんです。それで、なぜこういうことになったのか、なぜこれはやめることになったのか。もしくはなぜこちらを推すことになったのか、といったことが分かるようにしています。失敗だけでなく、結果の共有をしているのは面白いなと思いました。

― 今後、日本マーケットへ本格進出していく中でどのような方と一緒に働きたいですか?

新しいことにチャレンジしていくことが好きな人にとっては、毎日、“何ができるかな?”の連続だと思います。マーケットプレイス自体も、どういうふうにしたら、もっとお客さんに喜んでもらえるかとか、どういうふうにすることによって、もっとプロセスが簡素化できるのか、と常に取り組んでいます。

また本社からマーケットやお客様について話を聞かれたり、「これはどう思う?」など聞かれるので、本社とは密に仕事をしています。そういった意味では、クリエイティブな部分を活かしたい方、新しいことに挑戦したいとか、何かを作り上げていきたい方にとっては、その機会がたくさんあると思います。

それから英語を話すことを仕事にしたい人にとっても、英語を毎日使える環境も提供できると思います。ぜひ新たなチャレンジを求めている方と、一緒に仕事をしていきたいです。

文:キャベトンコ
撮影:渡邉 彰太

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