3月末に稼働する北陸モンベル大野物流センター
アウトドア用品メーカーのモンベル(大阪市)は、福井県大野市に建設した北陸モンベル大野物流センターの稼働を3月末に開始する。
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3月9日の完成披露会で辰野勇代表取締役会長は「今回の物流センターは3年前から計画していたが、コロナ禍もあり、大きな施設なので心配だった。しかし、コロナやウクライナ情勢から商品がなかなか入らないことがあった。我々はやはり商品がないと始まらない。先行して生産して備蓄することで有事にも対応できる。ここに備蓄して、少々物流が止まっても顧客に迷惑をかけないようにしたい」と述べた。
新物流センターは敷地面積約4万3500平方メートル、建築面積1万6200平方メートル、建物は2階建てで延べ床面積2万7300平方メートル。大野市が整備した富田産業団地に進出したもの。設備はケース自動倉庫が20レーン・8万8000ケース、自動倉庫クレーン20台、ピースソーターなど。収容可能数量は29万カートン、1日当たりの入荷は3000カートン、出荷は5000カートンの能力がある。従業員は当初50人程度で、今後は100人ほどに増員する予定。周辺では高速道路が26年までに延伸される計画で、交通の利便性が高まる。
同社は15年に稼働した既存の北陸総合センター(石川県羽咋市)で、全国の物流をまかなっていた。両センターはほぼ同規模で、車で2時間ほどの距離。初年度は北陸総合センターの在庫の3割ほどを新センターに移転し、将来的にはほぼ半々にしていく。同社で扱うアイテム数は22年で約4000品番、3万2000SKU(在庫最小管理単位)に達する。類似したアイテムや品番を両センターに分けることで、もしどちらかのセンターが停滞した時にも相互に補完できるようにする。
辰野岳史社長は「近隣で計6万6000平方メートルのセンターを持つことで、物流リスクを回避できる。元の北陸総合センターでは物流だけでなく、アイゼンなどの生産や様々な商品の修理、カスタムオーダーの注文が増えている。両センターで分業することで、商品販売後のいろいろなサービスがより充実できる可能性がある」などと話した。
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