アリババグループの小売事業部の責任者である劉鵬氏
アリババは、中国の消費者をひきつけるために参考となる最新の越境ECトレンドを発表した。過去2年間の調査データやアリババ幹部への聞き取りに基づいたもので、海外ブランドの中国市場開拓に役立ててもらう。トレンドは、①中国人観光客の増加、②海外ブランド需要の高まり、③アウトドアとペットケア用品の継続的な成長、④ブランドストーリーの重要性――の四つを挙げた。
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1月の中国の隔離義務撤廃に伴う中国人観光客の増加を受け、海外ブランドのビジネス機会の増加を予測。ユーロモニターインターナショナルによると、19年は香港や日本、韓国、台湾、タイなどを含むアジアのほとんどの国と地域で中国人観光客がトップの消費者だった。アリババグループの小売事業部の責任者である劉鵬氏は、「渡航が再開されると、隣国であるアジア諸国が最も直接的な影響を受ける。観光客は日本やヨーロッパに渡航し、現地の製品を探し求める」という。
コロナ禍でも中国市場では海外ブランドの需要は伸び続けてきた。国産消費財の売り上げが微減なのに対し、輸入消費財の売り上げは、21年に約19%増の1兆7300億元(約33兆円)、22年上半期には11.1%増の1兆元(約19兆円)となった。劉氏は、「消費者の嗜好(しこう)は、新しいものへのトライがより大胆に。人口は膨大なので、海外の小規模ブランドでも中国では巨大な市場をつかむことができる可能性がある」と解説する。
アウトドアとペットケア用品も継続的に成長するとみる。3年近く続いた都市封鎖の影響で、より多くの消費者がキャンプやピクニック、スキー、釣りなどのアウトドア活動を楽しむように。コンサルティング大手のデロイトと天猫国際の調べによると、スキー用品の輸入額は700%以上成長。また、輸入ペット用ウェアの売り上げは653%増、ペット用玩具の売り上げは457%増を記録したという。
テクノロジーを駆使し、ブランドストーリーを伝えることも重要に。コンサルティング大手のマッキンゼーがこのほどまとめた報告書によると、消費者は購入するブランドや製品を他のどの市場の消費者よりも徹底的にリサーチしていることが明らかになった。消費者はデジタルサービスに精通しており、SNSなどを通じて自身が必要とする情報を収集しているためだ。
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