返送時は商品を独自の真空パックを使う
未来ガ驚喜研究所は、CtoC(消費者間取引)で中古ブランド品を売買する個人向けに、郵送やオンラインで手軽に利用できる真贋(しんがん)鑑定サービス「シーズ・バイ・リンカン」の提供を昨年秋に開始した。鑑定結果の信頼性をその後の流通でも担保するために、特殊な梱包(こんぽう)を用いるなどしている。
ADVERTISING
鑑定を希望する商品の実物を郵送かリンカン店舗への持ち込みで預けるオフライン形式と、商品を様々な角度から撮影した写真を送るオンライン形式がある。同社の強みであるアクセサリーを中心に引き合いがあり、アパレルやシューズも扱う。価格はオンライン形式の場合が一律550円(税込み)と鑑定になじみのない個人もお試し感覚で使いやすい。鑑定スタッフは、同社の他事業の鑑定と兼務で、ブランドやアイテムごとに分かれ総勢20人超の体制をとる。
同サービスの背景には、コロナ下で中古品の流通が増えるなか、偽ブランド品の混入が課題となっていることがある。同社の買い取り審査に持ち込まれる商品でも、人気ブランドではアクセサリーの7割、スニーカーで2割と少なくない数が、同社における正規品の規定外となるという。
ユーザーが真贋に敏感になるなか、これまでCtoC流通での出品に同社の保証書を正規品の担保として活用しているケースがあったことから、国内のCtoCの取引で鑑定の需要があると判断して同サービスの提供を開始した。これにより「出品者の信頼」と「購入者の安心」を提供する。
ファッションアイテムの鑑定として「画期的」なのが、鑑定基準に合格した商品に対する保証の方法だ。オフライン鑑定の場合、会員専用ページでの結果の表示と鑑定証明書となるカードの発行に加え、返送時に商品をオリジナルパッケージの真空パックで梱包する。シューズなど真空パックで梱包しにくいアイテムには独自のタグを付ける。
できる限り商品に直接添付でき、付け外しのしにくい独自デザインのアイテムを付与することで、鑑定後に流通する際、出品時の写真と送付した実物を同一だと判断しやすくする。これはトレーディングカードなど他分野で、鑑定サービスにより商品に付与されたパッケージを、鑑定に合格した証明としてそのまま外さずに中古流通していることから着想を得たという。ロゴやパッケージのデザインは、ドイツを拠点に活動するアートディレクターのリカルド・フェロル氏が手掛けた。
将来的には、同サービスが「フリマアプリのほぼすべての出品者に利用されるようになりたい」(齋藤賢吾社長)と意気込む。鑑定した品のリンカンでの買い取り査定額を鑑定結果と共に通知するなど、同サービスが同社の他サービスと新規顧客との接点となることも期待する。
ADVERTISING
PAST ARTICLES
【繊研plus】の過去記事
RANKING TOP 10
アクセスランキング
銀行やメディアとのもたれ合いが元凶? 鹿児島「山形屋」再生計画が苦境